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2013年11月22日

マイノリティーネタ

このブログ始めてだいたい3ヶ月。
編集しやすいお陰で、3年以上ホームページ放置してた割には、けっこう記事書いたなと思う一方で、
ちょっと肩に力入り過ぎて自縄自縛に陥ってる気がしないでもない。(調べるのは好きなので苦ではないんだけど)
執筆途中のまま公開していない下書き記事が常に10件くらいあるし。
なので今回は、あまり進展しなそうな小規模な記事を放出(?)

1:鍔ぶった切りハット
マイノリティーネタ

CIDGで割とよく見る、ブッシュハットのつばをぶった切った帽子。
恐らくソンコの一種ではないかと推測しています。
ソンコはオスマントルコ帝国のフェズ帽に起源を持ち、イスラム教と共に東南アジアに伝来してインドネシア、マレーシア、ブルネイ、タイ、フィリピン等のイスラム教徒の民族衣装になったそうです。
それがベトナムと関係あるの?と思われるかもしれませんが、CIDGに参加していたデガ(モンタニヤード)やチャム族はマレー・ポリネシア語族(つまりインドネシア人やマレーシア人と大雑把には同族)であり、
また、かつて彼らが支配人種であったチャンパ王国(現在のベトナム南部を1500年間に渡って支配した)は中世からイスラム商船と交易する海洋国家だったので、彼らがこのような文化を取り入れていた可能性は十分にあると思います。
実際、カンボジアに住むチャム族は大半がイスラム教徒ですし。ただし、写真でこの帽子を被っている人々がチャム族かどうかは、まだ確認が取れていません。
ただベレー帽っぽくしたかっただけかも知れないし。

とにかく、当時使われていたことは確かなので、さっそく再現!
セスラー製ハットをチョッキン!チョッキン!

マイノリティーネタ


「アッラーアクバール!!」と叫んでベトコンと戦おうと思います。(マジで)


2:カーツ帝国

もういっこチャム族つなかりで、説明不要のナム戦(?)超大作『地獄の黙示録』。
作中の情報を元にウィラード一行のジャングルクルーズをマップにした人が居ました。


より大きな地図で Apocalypse Now event map を表示


で、カーツ帝国のある場所(メコン川上流のカンボジア領)なんですが・・・

プノンペンの目の前じゃないかwww
川の対岸がカンボジアの首都だよ。そんな都会だったのか。
米軍の前に、カンボジア王国軍が黙ってないよw
ラストは、米軍による中立国の首都への爆撃で終わる映画だったのかあれ・・・(冗談ですよ)

ちなみに、その辺りって当然カンボジア人の支配地域なので、デガ(モンタニヤード)は住んでおらず、住んでる少数民族は主にチャム族、一部ラオ族みたいです。
デガが住んでるのはベトナムのタイグエン地方(中部高原)で、カンボジア領で言うと東部のモンドルキリ州あたり。
地図でカーツ帝国の位置が示されているコンポンチャムは、"チャムの港"という意味で、まさにチャム族のメコン川への玄関口で、古くから栄えた港町なんです。

てゆーか、デガもチャムも、あんな白塗りしないし。

マイノリティーネタ

いかにも、西洋人が思い描く"未開の部族"だよなぁ。日本でも少数民族というとこのイメージみたいで。
実際にはデガもチャムも、江戸時代までは日本から見たら先進国なんですよ。
日本が鎖国してる時代、彼らは東南アジア全域の海洋貿易を仕切る大帝国だったんですもん。
19世紀にフランス領になってからは積極的にフランス文化を吸収し、パン食ってワイン飲んでクリスチャン化し、
植民地政府や南ベトナムの軍人・役人・政治家を輩出してますし、王族なんかはパリ・ソルボンヌの大学に留学したり、フランス人と結婚したりしてるし。
この辺は長くなるのでまた今度。


3:謎の階級章

CIDGでけっこう身に付けてる事があるのに、誰も言及しない謎の階級章。

マイノリティーネタ

まず、形はフランス軍将校っぽい。
これはデガが19世紀末からフランス植民地軍の一翼を担い、インドシナ戦争までフランスを盟主としてベトミンと戦ってきたんだから、ある意味当然。
だけど、フランス軍には該当する階級章は無い。(白1本+黄色2本など)

次に似てるのは南ベトナム軍の下士官。CIDGは公式にはLLDBの非正規隊員だし。
"白1+黄色2"の組み合わせは南ベトナム軍の上級伍長(Hạ sĩ nhất)と共通する。
だけど、"白1+黄1"なんて組み合わせは南ベトナム軍には無い。それに形も違う。

次に怪しいのがカンボジア王国軍。
以前の記事で書きましたが、当時CIDGに所属するデガの大半が同時に反サイゴン政府組織FULROにも所属していましたが、
そのFULROの結成を後押しし、活動を支えていたスポンサーはカンボジア王国のシハヌーク政権でした。
その証拠に、FULRO最高指導者イーバム・エニュオル(ラーデ族)も、カンボジア軍中将の階級章を身につけた写真が残っています。
(イーバム自身はベトナム出身でカンボジア軍の正規の軍人ではない)

マイノリティーネタ

ただ・・・。カンボジア軍の階級章はフランス軍とほぼ同じなので、これも該当しません・・・。

そして、こう思うに至りました。
これ、フランス軍のデザインを基に自分たちで制定したFULRO独自の階級章じゃね!?と。

ただし文献による裏付けは皆無です。今後も研究を続けたいと思います。



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この記事へのコメント
相変わらずネタ持ってますねー。

セスラー製なら気兼ねなくカスタム出来ますね!

カーツ帝国自分も前にネットで見ました。

近って感じでしたねw

謎の階級章は確かにフランスっぽい感じしましたが該当無いんですね。
Posted by OscarOscar at 2013年11月27日 21:16
>Oscarさん
気になるネタはまだまだあるのですが、日本語訳するのが面倒臭くて放置してる事柄が山積みですw

セスラー製ハットには生贄になってもらいましたが、さすがにダメにするのはもったいないと思い、ハサミで切り落としたので少し綺麗になり過ぎてしまいました。
本物はなんか、手で千切り取ったような豪快な感じっぽいんですが、さすがに真似する度胸がありませんでした。

『地獄の黙示録』の映画としてのテーマの中に、アメリカ人の傲慢さ、アジアへの理解の無さが含まれているとするなら、コッポラの脚本もまたそれを体現しているという意味で筋が通っているのかも知れませんw

階級章は、色が分かれてなければすんなりフランス軍式だと考えたのですが、なんかフランスや南べの下士官のように二色っぽいんです。
アメリカに亡命した元FULROの人は人権団体として活動している事が多いので、南べのように軍隊色バリバリのアソシエーションが無いのが残念です。あったら駐日FULROスポークスマンに立候補したいくらいなんですがw
Posted by タイガタイガ at 2013年11月28日 10:53
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