2014年04月05日
NKT黒龍 ユニフォーム
※2022年10月23日更新
パッチ等の縫い付け完了。今回は手縫いで、胸ポケットも使えるようになってます。
これにてベトベトで使う(コスプレ用)個人装備は準備完了です!
服は以前中田商店で売っていたアメリカ製(?)のリプロ品。通称"レンジャーパターン"のベトナム陸軍戦闘服です。
これは米軍が空挺降下を教育したという意味ではなく、米軍の基準に照らし合わせて十分にその徽章を有する資格があると判断された同盟軍兵士に表彰として送られる物です。
今はこれよりももっと出来の良いリプロが販売されてるようでとても気になっていますが、手持ちはこれしかないので、とりあえず今回はこれで我慢。
このレンジャーパターン迷彩は他にもARVNリーフ等と呼ばれますが、この迷彩はレンジャー部隊専用ではないし、ARVNが使ったリーフはこの他にもあるので、僕的には色を指して"パステルリーフ"という言い方が好きです。
パッチの配置は当時の写真見ても多数のパターンがあるので、あまり厳密には決まっていなかったようです。
今回は僕が一番「っぽい」と思う配置にしました。
付いてるパッチ・徽章は、
左袖:総参謀部(Bộ Tổng Tham Mưu)/自家製プリント
左ポケット:黒龍(Hắc Long)/機会刺繍・リプロ
左胸:米軍ベーシック・パラシューティスト・バッジ(Basic Parachutist Badge)/多分本物
右胸:空挺章(Bằng nhảy dù)/シルク織り・リプロ
総参謀部のプリントパッチは実物を元に布プリで複製したものです。
空挺章(Bằng nhảy dù)について
南ベトナム軍における空挺降下訓練の多くは、陸軍空挺師団が運営するタンソンニュットの『空挺訓練センター(TTHL Nhẩy Dù)』で行われていました。
この空挺訓練センターでは、空挺師団の訓練兵の他にも陸海軍のコマンド部隊や一般部隊からの志願者、同盟軍など多数の将兵が空挺課程を受講しました。
▲空挺訓練センターの空挺課程修了章(裏面)。発行者は『空挺師団本部3室(作戦・訓練室)』
また、当時は空挺訓練センター以外でも空挺課程を行っている施設がありました。
それが総参謀部直属の特殊工作機関、NKTの訓練部門である『イェンテー訓練センター(TTHL Yên Thế)』です。
イェンテー訓練センターは南ベトナム軍の教育施設のメッカであるロンタンに位置し、米軍MACV-SOG(SOG-38)と共同で雷虎や黒龍、シーコマンドなどのNKTコマンド部隊に特殊作戦に必要なノウハウを教育していました。
そこでは偵察・情報収集、通信傍受、捕虜捕獲、道路爆破、そして空爆・砲撃目標指示などの高度な訓練が行われ、その中にはもちろん空挺課程も存在し、コマンド部隊向けの空挺降下訓練が行われました。
※ただし訓練課程が違うだけで、降下訓練に使った施設は空挺師団の空挺訓練センターだったという説もあります。
▲イェンテー訓練センターの空挺課程修了章(裏面)。発行者は『総参謀部NKT訓練センター』
そして、これら空挺課程修了者の証であるバッジは2種類存在することが知られています。
一つは一般的な羽の短いタイプで、もう一つが欧米の洋書で特殊部隊(Special Forces)用と言われる羽の長いタイプです。
しかしこの『特殊部隊用』が具体的にどのような資格を指すのか、それを解説した書籍はまだ見たことありません。
僕は上記のように空挺師団、NKTで空挺課程が別であり、それぞれに修了章が制定されていることから、この空挺バッジも受講した訓練センター(空挺課程)の違いによるものではないかと予想しています。
つまり空挺訓練センターで行われる一般的な課程が羽の短いタイプで、イェンテー訓練センターで行われる特殊作戦課程が羽の長いタイプだったのではないでしょうか。あくまで推測ですが。
なお、布製の場合は空挺師団・NKTのどちらも同じ物を使うので、コスプレ的にはこっちの方が楽チンです(笑)
あと、今回は左胸に米軍のパラシューティスト・バッジ(ジャンプ・ウィング)も付いていますが、これは米軍との連携が強い特殊部隊や高級将校に多く見られます。
ベトナムから米軍が撤退するまで、イェンテー訓練センターおよびNKT各コマンド部隊、LLDBの作戦は常にSOG等の米軍アドバイザーと共同で実施されていました。
そういったエリート部隊に所属する南ベトナム兵には、その技能を表彰して米軍MACVから公式にパラシューティスト・バッジが授与されています。
▲南ベトナム兵に授与されたパラシューティスト・バッジ表彰・資格証書。
署名:米軍MACVイェンテー訓練センター・シニアアドバイザー マーリン・D・ダーリン歩兵少佐
逆にアメリカ軍特殊部隊が南ベトナム軍の空挺章を身に付けている事が多いのも、こういう理屈です。
南ベトナムとアメリカの同盟関係は日本人が想像するよりもはるかに対等なものなので、お互い気を使ってこういう『褒めあいっこ』を沢山していますね。
余談ですが、イェンテーなど南ベトナム国内に特殊部隊の訓練施設が完成する以前(1960年代初頭)は、沖縄やアメリカ本土、またアメリカの同盟国の施設で訓練が行われる事もありました。
沖縄や韓国、グアムは割と普通ですが、中には日本の習志野駐屯地で訓練が行われた例もあったそうです(笑)
もちろん訓練を行ったのは米軍グリーンベレーであり、自衛隊は公式には関っていないでしょうが、うちからすぐの千葉県に南ベ特殊部隊が来ていたと思うと、なんかシュールw
(もちろん習志野の訓練施設が優秀だから訓練場所に選定されたわけですが)
さて、あとはメシの準備だ!
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