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2016年10月27日

写真作りについて

リエナクトや撮影会の写真を当時風にする方法について僕なりに考えた事のまとめです。同じ趣味の方のお役に立てたら幸いです。なお、僕は主にベトナム戦争時代しかやっていないので、その時代の写真再現に主眼を置いて書きましたが、他の時代も撮影機材や画像フォーマットなどが変わるだけで、基本的な考え方は同じだと思います。

撮影機器

まず、撮影に使用するカメラ選びについて

◆当時のカメラ
一番望ましい。ベトナム戦争期(1960~70年代)の場合、屋外で使用されるカメラのほとんどは135フィルムを用いるレンジファインダーもしくは一眼レフでした。
報道関係ではニコンFなどの高級一眼レフが使用されましたが、当時すでに価格を抑えた普及型のカメラも一般庶民に広まっており、報道写真に拘らない限り、カメラは当時流通していた機種ならば何でもいいと思います。
ちなみに50年前のカメラであっても、人気機種以外であれば5,000円以下で動く中古が手に入ります。(デジカメ買うより安い)

屋外で使用されるフィルムカメラの種類

僕は私物カメラを想定してレンジファインダーカメラ『フジカ35-SE』(1959年発売)を使用しています。


後の時代のレンジファインダーもしくは一眼レフ
これも人気機種でなければ、中古が安く入手可能です。古めの一眼レフであれば当時と同じレンズを付ける事が可能ですし、また当時物でなくとも、古い機種・レンズなら写真の出来は当時物のカメラで撮影するのと大きな差はないと思います。

フィルム
当時のフィルムは入手困難である上に、仮に手に入っても経年劣化で使い物にならないので現在流通しているものを使うしかありません。
僕が思うに、写真の出来を大きく左右するのはカメラとレンズであり、それにパソコンでデジタル加工もできてしまうので、フィルムは現在一般に販売されている普通のカラーネガフィルム(ISO 100~400くらい)で問題ないと思っています。
当時はまだモノクロフィルムが広く使われていたので、写真が好きな人はモノクロフィルムを使ってもいいですが、1960年代後半以降はカラーフィルムも一般に広く流通してるので、それ以降の年代を想定するのであればモノクロに拘る必要はありません。

デジタルカメラ
とにかくランニングコストが安い。枚数を気にせずバシバシ撮れます。画像に関しては当時のカメラと同等とはいかないですが、画像を加工するのが簡単なので、工夫次第で雰囲気を出すことは可能です。
当時のカメラは、レンズを開放よりにすると背景ボケがよく出る(=F値を下げられる+35mmフィルム)ため、この状態に近付けるためには、一般的なコンパクトデジタルカメラよりもレンズとセンサーが大きいデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼、レンジファインダー風デジカメの方が写りは良いでしょう。また一部のデジタル一眼レフでは、アダプタを使用すれば(ニコンはFマウントであれば)当時と同じレンズを付ける事が可能です。
とは言え、画像をデジタル加工する前提であれば、スマホのカメラでもそれなりの写真を撮ることは可能です。


撮影時

基本的には屋外での撮影がメインになるかと思います。スタジオや雑誌のスチール撮影などではレフ板やスピードライトで光を当てて綺麗に写るようにしますが、リエナクトやコスプレが想定している状況ではそれらの機材は不要です。
当時っぽい雰囲気が出るかどうかは、被写体、背景、そして撮影者のセンスによって左右されます。どんなにお金かけて装備を揃えても、以下の点に注意しないと一発でダッサい写真になるので気を付けましょう

◆被写体
日本で『リエナクト』と呼ばれているイベントの大半はBB弾を打ち合うサバゲなので、必ずゴーグルが写ってしまいます。かと言ってゲーム中にゴーグルを外すのはご法度なので、ゲーム中は顔が写らないアングルで撮るといった工夫が必要だと思います。また撮影のためにゴーグルを外している状態であっても、帽子の上やポケットからゴーグルやマーカーが見えていると台無しなので、ちゃんと隠しましょう。
また、当時多くの国の軍隊では、ライフルを保持しながら歩く際は、常に上に向けて保持する姿勢が一般的でした。実際には兵士全員が常にマニュアル通りの姿勢でいる訳ではないので、前線では各自が楽な持ち方をしており、銃口が下を向いている場合もありますが、それでも基本的に銃床は脇の下もしくは銃を片手で持っている状態であり、現代的な銃床を肩の前に出して銃口を下に向ける姿勢を取る事はまずありませんでした。同じく射撃時も、当時は立射の際は(右利きの場合は)左足を前に出し、左手はハンドガードを真下から支える伝統的な射撃姿勢をとるよう教育されており、近年流行している脚を目標方向に対して直角に開き、左手を伸ばしてハンドガードを横から掴む所謂タクティカルな射撃姿勢は当時存在しませんでした。

ベトナム戦争期と現在のライフル保持姿勢の違い (アメリカ陸軍)


◆背景
背景は写真の印象をガラリと変えるので、被写体以上に非常に重要な要素だと思っています。ベトナム戦争に関していえば、当時の写真を見てみると、ベトナムの戦場は一般にイメージされるようなジャングルばかりではなく、むしろ開けた地形、草木の低い(ココナッツ以外に高い木が無い)植生が多いことが分かるかと思います。ただ雑草が生い茂る草ムラですら、意外な事に草の高さは日本の雑草に比べてとても低く、腰の高さより高いのは滅多に見ません。また当然ながら、日本の山林のような杉の木はありません。なので撮影場所を選ぶ際は、これら日本特有の植生っぽい場所をできるだけ避ける事をお勧めします。ちなみに、竹林や松林はベトナムにもありますし、広葉樹林の中の風景は日本もベトナムも大して変わらない(と思う)ので、撮影の際に画角の中に杉の木が写らないよう注意するだけで大分雰囲気が良くなると思います。
加えて言うまでもないですが、駐車してある自動車や、ペットボトル、ビニール袋などのオーパーツの写り込みにも十分注意しなければなりません。一人が気を抜いてペットボトルをその辺に放置したがために、みんなで気合入れて撮った写真が台無しになる事もしばしばです。基本的には、撮影するスペースには当時存在した物以外は持ち込まないようにし、どうしても必要なものは弾薬箱や麻袋などで常に隠して置きましょう。

◆撮影者
銃を撃っている兵士の前に立って写真撮るバカはいません。いくら命知らずの戦場カメラマンと言えども、味方に撃たれて無駄死にしたくはないでしょう。かの有名なロバート・キャパの『崩れ落ちる兵士(The Falling Soldier)』も、撮影者が兵士よりも前に居た事から長らく不自然さが指摘されており、最終的にはただ演習中に転んだ兵士の写真であったことが判明しています。コスプレ撮影会と言えども、撮影者自身も当時の役になりきって撮った方がアングル的にも自然になり、写真の質の向上に繋がると思います。


撮影後

撮影機材も大事だけど、それ以上に出来栄えに大きく影響するのが、その写真の『状態』をどこに設定するかという事だと思っています。人間が『写真』を見る場合、その状況は大きく分けて以下の5パターンに分かれると思います。

・デジタルカメラで撮影デジタル画像をモニタで見る
ポジフィルムを直接見る、またはポジ/スライドをプロジェクタでスクリーンに拡大投影した画像を見る
・プリントされたもの(主に印画紙、新聞などの紙媒体)を直接見る
・フィルムをスキャンしたデジタル画像をモニタで見る
プリントされたものをスキャンまたは撮影したデジタル画像をモニタで見る

これらの中から、想定している年代に合った状態を選び、それっぽく加工していけば、当時の写真に近付く事が出来ます。
以下、パターン別に方法を解説していきます。

◆デジタルカメラで撮影デジタル画像をモニタで見る
当時デジタルカメラは存在しなかったので、これは除外します。

◆ポジフィルムを直接見る、またはポジ/スライドをプロジェクタでスクリーンに拡大投影した画像を見る
リバーサルフィルムを使用して撮影すれば、ポジの状態でカラーになっているのでプリントしなくとも写真を見る事はできますが、当時風を目指す上ではあまり意味ないです。

プリントされたもの(主に印画紙、書籍、新聞などの紙媒体)を直接見る
まず、一般に『写真』という言葉が最も似合うのは印画紙へのプリントだと思いますが、これを再現するのはかなりハードルが高いです。当時と現在ではプリントに使われている印画紙の種類が違うため、パソコンのプリンターはおろか、一般的な写真店でも作ってもらえません。なので自分で当時と同じような印画紙を入手する必要がありますが、その印画紙にプリントするためには、自宅に暗室を作って、引き伸ばし機と各種現像液を用意し、焼き付けの作業をしなければなりません。これはもはや別の趣味の世界なので、僕には手が出ません。
また、当時の雑誌のグラビア印刷も専用の印刷機が無いと無理でしょう。新聞を再現する場合、新聞紙に使われるざら紙と、にじまないインクが手に入るならパソコンでデータを作成してプリントアウトできるのかも知れませんが、やろうと思ったことが無いのでよく分かりません。現在のオフセット印刷で作られた新聞・書籍ならば、印刷屋さんに注文すれば作れるかもしれませんが…。
いずれにせよ、手間と費用がかなりかかる上に、プリントを見てもらう以外に発表する手段も無いので、これを目指す人はほぼ居ないでしょう。

フィルムをスキャンしたデジタル画像をモニタで見る
今日、私たちは戦時中に撮影された貴重な写真をインターネットを通じて閲覧できる環境にあり、僕を含めた世界中の研究者・マニアたちがそこから多くの情報を得ています。これらインターネット上にある当時の写真には、その画像データが作成された過程によって2種類に分類できます。その一つが、公共団体やマスメディアのアーカイブ、もしくはライセンス企業によって公開されているものです。
これらの画像は紙媒体にプリントされたものをスキャンしたわけではなく、オリジナルのフィルムからスキャンしたデジタル画像の場合が多いです。これを再現するにあたっては、最終的にモニタに写すデジタルデータさえあれば良いので、実際にはフィルムが存在しなくとも、画像をあたかもフィルムからスキャンした風に加工することで、再現できるかと思います。
またこうしたフィルムは貴重な資料として厳重に保管されてきたため、経年による劣化が比較的少なく、40年以上前の写真とは思えないほどの鮮明さを保っている事が多いです。なので、これらのデジタル画像を再現しようとする際は、撮影した画像に対して経年による変色を再現する必要はないと考えます。したがってその写真がカラーフィルムで撮影されたと想定するなら、実際にカラーフィルムで撮った場合は何も加工する必要はなく、デジタルカメラで取った場合はフィルムっぽい風合いに加工するだけで、大きく変色させる必要はありません。同様にモノクロフィルムで撮影されたものと想定するなら、上記の工程に加えてグレースケール化+モノクロフィルムっぽいコントラストにするといった方法で雰囲気を出せるかと思います
なお、当時主流だった135フィルムの標準画像フォーマットは24×36mmなので、作成する画像のアスペクト比は135フィルムと同じ3:2 (1.5)に合わせる必要があります。ちなみに1960年代以前には、135フィルム以外にも120フィルムをはじめ各種ロールフィルムを使用する中盤カメラやスプリングカメラも使われていたので、これらを再現する場合は6×4.5cm判や6×7cm判など、想定するカメラに合わせた画像フォーマットを選択することもできます。
加えて、現在WEB上で公開されている画像には著作権やライセンスを示すロゴやキャプションが加えられているものも多いため、各社のロゴを勝手に使わせてもらってます(笑)

▲フジカ35-SE(レンジファインダー) / Kodak GOLD 100 (カラーネガフィルム)で撮影
写真屋でネガをCDに書き込んでもらい、その画像にパソコンでライセンス企業Corbis Images (現在はサービスを終了し権利はゲッティに移動)のロゴを入れました。色調などはネガのままで加工していません。

iPhone 4S(スマホ)のカメラで撮影
デジタルカメラで撮影した画像はやはりフィルムとは雰囲気が異なりますが、そのデータを画像編集ソフトなどを使ってフィルム風に加工することは可能です。この作例では、スマホで撮影した画像をPhotoshopでモノクロフィルムっぽくなるよう加工しています。色調はグレースケール化のみで、変色は加えていません。定番のLIFE photo archiveのロゴを加えています。

◆プリントされたものをスキャンまたは撮影したデジタル画像をモニタで見る
公共団体や企業がインターネットで公開している画像はフィルムからのスキャン画像が多いのに対し、個人が公開している当時写真で多いのが、プリントをスキャンないし撮影したパターンです。
こちらもフィルムからのスキャン画像を再現するのと同様に、実際にプリントが存在しなくとも、画像をあたかもプリントからスキャンされた風に加工することで再現できます。ただしフィルムの場合と違い、これらのプリントは数十年前に印画紙に焼きこまれたものであり、よほど厳重に保管されていない限り酸素や紫外線の影響を受け、カラー・モノクロ写真ともに変色・劣化してしまいます。
なので作成にあたっては、Photoshopなどの画像編集ソフトで変色や印画紙の痛みなどを付け加える事でリアリティが増すかと思います。なお画像編集ソフトが無い場合は、Web上の写真加工サービスなどを使う事で無料である程度写真を加工できます。
参考: 写真加工.com http://www.photo-kako.com/
なおフィルムスキャン画像と同様に、画像のアスペクト比は当時用いられたであろう印画紙のサイズに合わせ1.4~1.5にしておくのが無難だと思いますが、主に個人がスキャンした画像である為Web上にある画像は写真のフチが入っていたり無かったり、トリミングされていたりとまちまちなので、そこは各自の好みで変えてしまってもいいかも知れません。参考までに、当時一般的だった米国イーストマン・コダック社の写真印画紙のサイズは以下になります。
2R: 2½ × 3½(63.5 × 89ミリメートル), アスペクト比7:5 (1.4)
3R: 3½ × 5 インチ (89 × 127ミリメートル), アスペクト比10:7 (1.43) ※日本のLサイズ、欧州の9 × 13サイズ
4R: 4 × 6インチ (102 × 152ミリメートル), アスペクト比 3:2 (1.5) ※日本のKGサイズ。135フィルムの標準プリントサイズ

▲フジカ35-SE(レンジファインダー) / Kodak GOLD 100 (カラーネガフィルム)で撮影
カラーフィルムで撮影し、スキャンした画像に印画紙の劣化に伴う変色、シミ、さらに折れとスキャン時のテカりなどを加えました。

スマホ(SONY XPERIA J1)のカメラで撮影
デジタルで撮影した画像をモノクロ化し、上と同じく画像に印画紙の変色、劣化、損傷を付け加えています。シミや傷は、Google画像検索で"old photo texture"等のワードで探せばテクスチャ素材がたくさん見つかるので、それらを写真に重ね合わせて使っています。

▲オリンパスE-620 (デジタル一眼レフ)で撮影
当時のベトナム共和国軍の広報誌"Chiến sĩ Cộng hòa"の表紙を捏造しました。
印画紙へのプリントではなく、彩度を上げて当時雑誌の写真印刷に使われていたグラビア印刷風にしています。


以上が僕が今までやってきた写真の作り方です。僕自身、毎回新しいやり方試してより良い方法を探している最中なので、決してここに書いたことが全てではないと思います。今後も少しでも遊びの質を向上できるよう、チャレンジを続けていきたいと思います。




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