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2023年10月21日

MACV-SOGパッチへの懐疑

いきなりですが、僕はこの『MACV-SOG』のものとされるパッチは、ベトナム戦争後に捏造されたファンタジーパッチの可能性が高いと考えています。

MACV-SOGパッチへの懐疑

まず、このデザイン自体はMACV-SOGのもの(非公式)で間違いなく、当時も基地内の装飾などに使われていました。また後述するSOG内の各部署のパッチもこのデザインを基に製作されました。しかし同時に、SOG全体としてのパッチは存在せず、このデザインもパッチ化されなかったと僕は考えています。
なぜならSOGは固有の「部隊」ではなく、アメリカ陸海空軍海兵隊、NSA、DIA、CIA等から諜報・特殊作戦の専門家が結集したタスクフォース/アドバイザー機関であり、SOGはそういった多数の異なる軍種・分野毎の部署の集合体でした。(過去記事SOGの組織構造』参照)

※ミリタリーマニアの間では地上偵察計画のOP-35(C&C部隊)=SOG-35だけがSOGとして知られていますが、実際にはSOG-35は(人数は一番多かったにせよ)数あるSOG内の部署の一つに過ぎません。

そしてSOG内の部隊パッチは、それぞれの部署ごとに個別に製作されていました。
またSOG本部各部署(SOG-00,10,20,30,40,50,60,90)でパッチが製作された例は確認できておらず、パッチが製作されるのはSOG-35,37,75,80などの作戦部門に限られていました。

MACV-SOGパッチへの懐疑
▲パッチの画像はレプリカ含む


このように、SOG系のパッチというのは、作戦部門の各部署が各々独自に製作したものであり、それ以外にSOG本部要員が身に付けたり、SOG全体を表すパッチは存在しなかったというのが私の考えです。

とは言え、問題のMACV-SOGパッチに対して「存在しなかった証拠」を示す事は出来ません。なぜならこれは一種の『悪魔の証明』というやつで、「実在する事」なら証拠も集めようがありますが、「実在しない事」の証拠など、そもそも存在しないからです。
しかしどんなに調査研究しても実在した証拠が一点も見つからないのなら、その実在性は十分疑わしい、と言うか「無かった」と考えるべきでしょうね。

もしこのパッチについて何か有力な情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ともご一報下さい。




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