2014年04月07日
ナンバーテンブルース さらばサイゴン
ベトナム戦争最末期の1975年、全編南ベトナムロケで製作された幻の日本映画が40年の時を経てついに公開!
『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』
脚本・監督は「修羅雪姫 怨み恋歌」を執筆した長田紀生、撮影は椎塚彰がそれぞれ担当。
諸事情により未公開となっていたが、国立フィルムセンターに所蔵されていたネガと0号プリントを元に2012年10月にデジタル編集の上、修復完成。
2013年にロッテルダム国際映画祭で正式招待作品として上映された。
2013年9月21日より、広島県尾道市、福山市で開催された「お蔵出し映画祭2013」にて上映。
世界各国の映画祭で"奇跡"と謳われた幻の邦画が、40年の時を経て待望の劇場公開!停滞する日本映画に痛烈な一撃を放つ!
4月26 日(土)テアトル新宿にてロードショー!
【物語】
日本人よ、お前は一体どこへ行こうとしているのか?!
1975 年、南ベトナム。日本人商社員・杉本俊夫はテト(旧正月)で賑わうサイゴンの街での勝手気ままな生活を存分に楽しんでいた。悲惨な戦争は今も続いているが、所詮俺には関係ない。だが、ある日、ふとした行きがかりから、彼は現地雇いのベトナム人を殺してしまう。金の力にまかせ気ままに暮らしていた杉本の人生が一転する。殺人者となり追われる身になった杉本の暴力と犯罪が更にエスカレートし、遂にはベトナムからの脱出を企てるのだった。友人で戦場カメラマンの太田の車を奪い、一路北端の町フエへと向かう。同行するのは、杉本の恋人ランと、旧日本兵とベトナム人との混血として生まれたタロー。ベトナム全土に戦火が渦巻く中、杉本の車は北へと突っ走る。
【出演】川津祐介、ファン・タイ・タン・ラン、磯村健治 他
【監督・脚本】長田紀生
【プロデューサー】磯村健治
【配給】プレサリオ
という訳で、4月26日にテアトル新宿に見に行こうと思います。
戦争をテーマとした映画ではありませんが、あの1975年4月30日の敗戦で全てが変わってしまう前のベトナムをロケ地としている、数少ない日本映画の一つです。
1949年から1975年まで存在したベトナム国・ベトナム共和国という国家の歴史に魅入られた僕とっては、この映画は貴重な映像資料とも言えます。
この映画でヒロインを演じた歌手・女優のタン・ラン(Thanh Lan/本名ファン・タイ・タン・ラン)さんは今もご健在で、米国カリフォルニア州にお住まいです。
彼女は南ベトナム時代、ベトナム人なら知らぬ者は居ないほどのトップスター歌手兼女優でした。
また当時は日本のミュージシャンとも積極的に交流しており、ヤマハが主催した第1回東京国際歌謡音楽祭でがファイナリストに勝ち残ったそうです。
日本映画に出演したのもその縁かもしれませんね。

ランさんも他の南ベトナム難民たちと同様に、敗戦とともに祖国を追われアメリカに移り住みました。
しかし、アメリカに渡ってからもベトナム移民社会における彼女の人気は絶大で、ランさんはアメリカでも歌手・女優業を再開しました。
そして、言葉の通じない見ず知らずの土地で一から人生をやり直ざるを得なかったベトナム移民たちの心の支えとして、40年近く経った現在も精力的に活躍されています。
むしろ芸歴はアメリカに渡ってからの方が長いので、もはやベトナムの歌手というより、ベトナム系アメリカ人歌手と言った方が正しいかも知れません。
2013年、封印されていた過去の出演作『ナンバーテンブルース さらばサイゴン』が38年の時を経てついに完成しました。
この映画は各国際映画祭で賞賛を得、女優タン・ランの名は再び国際社会の脚光を浴びることとなりました。
今月4日には、カリフォルニアのベトナム移民向け地方局"TVベトナム(NGƯỜI VIỆT TV)"にランさんが出演し、この映画の思い出を語っています。
(僕はベトナム語分からないのですが、途中NHKがどうこう言ってるので、日本での音楽活動の事も話しているようです。)
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