2015年03月19日
JFK展
先日仕事中にラジオで、ジョン・F・ケネディ元大統領の特別展が国立公文書館で開催されていると知り、60年代の歴史を趣味としている者として「こりゃ行かなきゃ」と思いたちました。

そんで怒涛の15時間労働夜勤4連チャンを終えた朝、その足でラーメン二郎三田本店で朝二郎食べて体力を回復させ、竹橋の公文書館に向かいました。

はじめての国立公文書館。
仕事帰りなので下は作業着、上はパーカー姿のまま。ついでに花粉症なのでマスク着用。
なんかコンビニとかパチンコ屋にいそうな感じの風貌で突入したら、警備員とか周りの上品そうな客(ジジババ)たちがジロジロ見てきます。よく考えたらここ、皇居の真ん前なんだよね。
おまけに二郎のせいでニンニク臭いし、ここ数日異常に腹が張ってて展示見てる最中も屁が止まらないし。
いや~ん
そんで1時間くらいかけて展示をくまなく見てきました。
JFKの家系、生い立ちから上院議員時代、大統領選、ニューフロンティア政策、キューバ危機、日米関係、暗殺事件、弟のロバートと娘のキャサリン(現・駐日大使)の生い立ちもありました。
恐らく日本国内で見られるチャンスはもう二度と無いであろう資料が沢山あり、十分来た甲斐がありました。
特にキューバ・ミサイル危機の最中、デフコン2が発令されガチで核戦争寸前の状態で書かれた直筆のメモとか、マジで鳥肌ものでした。
1962年、世界はマジで危うく核の炎に包まれるところでした。みんな生きててヨカッタネ!
ただ、不満も何点か。
確かにJFKはアメリカにとって歴史的な人物だけれども、にしても今回の展示はあまりにその『功績』を褒め称える事のみに偏っているよ。
家族とのプライベート写真も大きく張り出され、政治家としても、一人の男としても『いい人』というイメージを全面に出した展示。
でも、ぶっちゃけ部分的核実験禁止条約なんて、米ソは既に膨大な核実験の末に核兵器開発に必要な実験データを十分揃えたんで、互いにメンツを保ったままコストのかかる部分のみを止めただけじゃん。
事実、地下核実験や臨界前核実験、ミサイル開発といった核兵器技術はその後もバンバン進歩していったし。それ核軍縮とは言わないでしょ。
他の『偉業』だって、それは政治家として世相を読んでアメリカ社会が求める政治、大統領像を自らに課したものであり(それを実現した彼の能力は流石だけど)、単に人格者というイメージで語られるのは間違ってると感じた。
そして何より、僕が本当に見たかったピッグス湾事件やラオス、ベトナム、中南米への介入、CIA・FBIとの軋轢など、ケネディ政権のとった穏やかではない政策については全くと言っていいほど説明が無かった。
(暗殺事件に関してはそもそも公の場で再検証されることは無いだろうけど。気長に2039年を待ちましょう)
娘(ケネディ大使)のご機嫌取らなくてはならない日本政府の立場上、JFKの負の側面と取られかねない部分は扱い辛かったのだろうけど・・・。その部分では正直がっかり。

開会式に望むPM安部とキャロライン・ケネディ駐日大使 写真:国立公文書館
国立公文書館って独立行政法人とは言え、所詮は日本政府の監督下にある機関なんだね。
日本のアカデミックな部分の中枢であるはずの機関ですら、税金使って死んだ他国の大統領を褒め称えるだけというところに、敗戦後70年間続いている『日米関係』が垣間見れました。悲しいね~
歴史なんてものは、批判されてナンボでしょ。
「良くも悪くも」と言うか、あらゆる面から検証されて、初めて未来に役立つ有益な情報に成り得るんだからさ。
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