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2017年12月09日

おもいでのダクツタイガー

※今回は僕の思いでメインの記事です。

 幼少期より銃火器・ミリタリーが好きで、小3で初めてマルイのエアコキ(ベレッタ92F)を手にして以来、ずっとエアガンで遊んでいた僕は、当然のようにサバイバルゲームというものに惹かれていました。
 そして高校に入学すると、偶然にも自転車通学ルート上に草加のエアガンカスタム・サバゲショップUENS☆DAYさんがあり、僕はそのショップ主催のサバゲに参加すると共に、学校帰りにお店に寄り、ほとんど毎日入り浸るようになりました。お金のない高校生の僕は、店に行ってもエアガンを買う金は無いので、お店で売ってるカップラーメンとスーパーBIGチョコを店内で食べるのが日課になっていました。今考えると、サバゲを始めたこの時期にUENS☆DAYさんに出会った事が、僕の人生に大いに影響あるいは悪影響?(笑)を及ぼす事になります。

 僕はサバゲを始めた時点では、1990年代の米海軍SEALs装備が好きだったので、(当然金は無いので代用品で誤魔化しながら)それっぽい服装をしておりました。

おもいでのダクツタイガー
▲16歳の時のわたくし。この時点ではベトナムには何の興味もなかったです。

 しかし周囲の環境と人間は完全にナム戦モード。関東で昔からナム戦ゲームやってる人なら知っているかも知れませんが、僕が偶然通うようになったUENS☆DAYさんは、オリジナルの電動M16A1アルミレシーバーやCISOリュック、STABOハーネス、SEALベストなどのナム戦軍装アイテムを制作・発売しており、また三郷の河川敷で度々開催されていたナム戦ヒストリカルサバゲイベントの運営にも携わっておられました。また店内には、常連が置いていったベトナム軍装関連の洋書が多数置いてあり、好きなだけ読む事が出来たのです。これだけナム戦ファン率が高いのは、たぶん当時でも珍しかったと思います。
 そしてそんな場所に足しげく通う僕も、自然とナム戦装備のカッコ良さに魅せられ、自分もやりたい言い出します。そこで周りの先輩たちが、予算に限りのある僕に勧めてくれた設定が、米陸軍の師団司令部付き長距離偵察チームLRRPでした。「LRRPならタイガー着てM56装備付けるだけでOKだよ。パッチも要らないよ」と。
 まぁ今振り返るとかなり大雑把な説明ですが、「君はこれを読みなさい」と、フランク・キャンパー著『ザ・ラープ』まで渡され、僕はウキウキ気分でLRRP隊員になる決意をしたのでした。そしてこれが運命の分かれ目でした。ここでもし通常の米軍歩兵装備を勧められていたら、僕は今頃違う人生を歩んでいたかもしれません。

 そしてLRRP装備の第一歩、そしてその後十数年どっぷり浸かる事となるベトナム軍装趣味の第一号として16歳の時に買ったのが、米国タイガー・ストライプ・プロダクツ(以下ダクツ)社製のレプリカ迷彩服。中古で上下セット3000円くらいでした。当時ダクツタイガーは日本全国どこのサバゲーフィールドに行っても見られる、極ありふれた迷彩服で、サバゲ用品としてはもちろん、街の古着屋でもいくらでも中古が安く売られていました。
 その後、1年かけて小遣いやバイト代をやり繰りしながらM1956個人装備やCISOリュックを集め、晴れてナム戦デビューを果たすのですが、そこで周囲の大人たちから思いもよらぬ言葉を浴びせられました。

「どう見てもヤードwww」 「南べ似合うね~!羨ましい(笑)」

 みんなひどい!だって僕はLRRPのアメリカ兵ごっこがやりたいからコツコツお金を貯めて装備を集めてきたんですから。高校生にとって装備一式と電動ガン集める金は大金でしたよ。
 今思えば、僕が言われた「タイガー買うだけでOK」云々の甘い誘い文句は、(あくまでアメリカ人役だけやりたい)自分たちの仲間に、CIDG役を一人加えたかったから、痩せてて背の低かった僕をCIDG役として引き入れるための策略だったのでは?と疑わしく思えてきます。
 とは言え、何度も何度も「似合う」、「羨ましい」と言われていると、悪い気はしないので、自分でもだんだんその気になってきちゃいました(笑) そしてインターネットで当時のCIDGやベトナム共和国軍の写真を集めるようになったのが、現在このブログを書くに至っているベトナム研究の入り口でした。

おもいでのダクツタイガー
▲一度もLRRP役を経ぬままナム戦イベントにベトナム共和国軍特殊部隊役で参加。2004年『NAMっぽいのが好き』


 当時、周囲のナム戦趣味の先輩たちと南ベトナム軍ついて話していた時に言われた言葉を今でも覚えています。ある方が僕に、冗談のつもりでこう言いました。

「もしかしてタイガ君、十年後には"南ベトナム軍の第〇師団の配置は~"とか言うようになってるんじゃないの(笑)」

 どなたが言った言葉なのかちょっと思い出せませんが・・・。その冗談、現実になってますよ。多分その人も、そして僕自身も想定していなかったレベルで。

 今も似たようなものですが、当時もベトナム共和国軍というの不人気軍隊の師団の配置に関する知識など、超マイナー・マニアックと見做される物でした。そして、そんな変態そうは居ないという意味で、この台詞は冗談になり得たのです。
 なお今現在の僕は、「マイナー」や「マニアック」という言葉に興味がありません。人の興味が千差万別なのは当たり前であり、僕にとっては多数派である事に価値は無いのと同時に、少数派である事もまた無価値です。
 ではなぜ、あれから十数年もベトナム共和国軍に興味が持ち続けているのかと言いますと、それは単純に20世紀後半最大の戦争の中心勢力に興味を持ったために、それを調ているだけなのです。僕にとってそれは歴史を振り返る上で非常にオーソドックスなアプローチの仕方であり、今となっては寧ろこれが「マニアック」と見做されている現状の方に違和感を感じています。
(マニアックという言葉の本来の意味って、「ある事に極端に熱中しているさま」なんですね。てっきり酔狂や奇特な志向の事だと思ってました。本来の意味では、確かに僕はマニアでありマニアックしてますね。)

 話が脱線しましたが、かつて自転車で1時間かけてサバゲに行っていた埼玉の高校生が、たまたまナム戦コスプレと出会い、10年後には自分がコスプレしていた部隊の元将兵たちに親しくして頂けるまでになったわけですから、我ながら数奇な縁があったものです。これは決してそうなる事を見越して努力した訳ではなく、たまたま出くわした状況に対し好奇心の赴くままに突き進んだ結果なのですが、今振り返ってみると、単なる偶然と呼ぶには出来過ぎてる気もします。なにか運命めいたものでもあるのでしょうか。
 こんな感じで僕の人生常に流動的ですので、この先どうなるのか全く予想がつきませんが、10年後の自分がこの記事を読み返した時どう思うのか、今から楽しみにしておきます。



ダクツタイガーのレストア&改造

 この記事、本当はこのレストアの話がメインのはずだったのですが、思い出話を書いているうちに随分長くなてしまい、こっちがおまけみたいになっちゃいました。まぁ大して内容も無いので、簡潔に書きます。

 上記の16歳の時にLRRPやるために初めて買ったダクツ製のタイガーは、まだ捨てずに家の軍服入れにしまってあります。しかし長いこと、ダクツなんていつでも手に入る安物リプロという認識だったので、まだ知識が浅かった時分に改造服のベースにしており、いろいろイタズラした結果、今やジャケットとパンツ共に、ポケットやボタンも無いまっさらな状態になって、箪笥の肥やしになっていました。

おもいでのダクツタイガー

 しかし今になって実物や他のメーカーのリプロと見比べてみると、ダクツタイガーは案外出来が良かった事に気付かされます。タイガーストライプは現在でも複数のメーカーから絶え間なくリプロが発売される人気迷彩服ですが、値段が張るそれら新作リプロと比べても、ダクツの再現性は馬鹿に出来ません。ボタンを変えるだけで、ぱっと見本物っぽく見えてしまいます。(ただし僕が持ってるような古いロットの物だけ。それ以降だんだんおかしくなり、現行品はリプロ軍装ですらない、ただのミリタリー風ファッション)
 また、かつてはあれだけ投げ売りされていたこの服も、いつしか市場から消えてしまい、気付いたら良い時代のダクツ製品が手に入りにくくなってしまいました。
 こうして、生地取り素材として箪笥に眠っていたダクツタイガーの価値にようやく気付いた僕は、この服を再び着る為、どうにかしてレストアする事にしました。
 まず必要なのはポケット用の布です。胸ポケットだけならジャケットの袖を切って半袖にする事で生地を確保できますが、今回はパンツのカーゴポケットも必要なので、袖だけでは生地が足りません。そこでしばらくダクツタイガーの中古を探し回った結果、運良くほぼ同じロットと思われるパンツを入手する事に成功しました。
 素材さえ手に入れば、あとの縫製は馴れたものです。ただ、ダクツと同じ裁断(通称USタイプ)のリプロは他にも持っているので、オリジナルに戻すだけではつまらないと思い、今まで持っていなかったタイプを再現してみました。

おもいでのダクツタイガー

MADP系タイガーストライプの裁断には多数のバリエーションがあったことが知られていますが、今回はその中でも、当時2ボタンマチポケット(USタイプ)、1ボタンマチポケット(アジアンタイプ)に次いで多く用いられた、隠しボタン雨蓋マチポケットを再現してみました。

おもいでのダクツタイガー
隠しボタン雨蓋の使用例(ベトナム陸軍特殊部隊)

おもいでのダクツタイガー
ボタンを留める輪っかも再現。ボタン自体は東京ファントム製ベトナム軍2ポケグリーンリーフ迷彩服に付いていた物を移植しました。またポケットの寸法はMASHのアジアンタイプから採寸して再現しています。

おもいでのダクツタイガー 
ズボンは一般的な2ボタンマチポケットで、素材用パンツからカーゴポケットをそのまま移植。

ここまでやれば、思い出の品のレストアとしては十分でしょう。
しかし毎度の事ながら、服をいじるのは良いけど、その服をイベントで着るはいったい何年先なるのか分かりません。




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