2020年04月20日
HT-1Aウォーキートーキーのスリング自作
ヴィレッジ・ラジオ
1960年代初頭、南ベトナム領内の共産ゲリラ(解放民族戦線)を掃討すべく米国CIAが主導した作戦の一つに『ヴィレッジ・ラジオ・プログラム』というものがありました。当時、通信インフラが未整備な地方の農村地帯ではベトナム政府の管理が行き届かず、ゲリラの活動が野放しになっていたため、CIAは地方の村役場や警察、NDTV(人民自衛団:軍の指揮下にある民兵組織)等に『ヴィレッジ・ラジオ』と呼ばれる米国製の各種無線機を配布して、現地住民にゲリラやゲリラ協力者の活動を監視、逐一報告させる事で、掃討作戦を効率的に実施する事を目指しました。
そしてこのヴィレッジ・ラジオ・システムを構成する無線機のうち、ウォーキートーキー(携帯式送受信機)として使われたのが『HT-1 (HT-1AおよびHT-1E)』、そしてHT-1を航空無線対応の2バンド化した『HT-2(HT-2A)』です。
その他ヴィレッジ・ラジオを構成する各種無線機についてはこちらに詳しく載っています。
スリング自作
僕は数年前に、HT-1A(中でもコントロールパネルがベトナム語のタイプ)の実物を買ったのですが、HT-1/HT-2はスリングベルトが脱着式のため紛失される事が多く、僕が買った物も最初からスリングが付いていませんでした。スリングが無いと持ち運びに不便なので、僕はこれを買って以来しまいっ放しで、屋外に持ち出した事がありませんでした。
しかし、HT-1は警察や民兵の他にも、CIDGやPRUなどCIAの支援を受ける地方部隊全般で使用された特徴的なアイテムなので、もういい加減コスプレで使わないのはもったいないと思い、重い腰を上げてスリングを自作する事にしました。

今回は現物が手元に無いので、実物のスリングの画像をネットで集めて、形状やサイズを図ります。
大きさが分かっている亀の甲ホックを基準に、画像からベルトや縫い目の寸法を割り出しました。






ポンチ絵
ベルト全体の正確な長さは画像からでは分からなかったので、目分量でだいたい1.2~1.5mくらいとしました。
そして可能な限り実物と似た素材を探し購入。
・ホック:協進エル 亀の甲ホック 23×20mm
・ベルト:ナイロンテープ【25mm幅】
・バックル:角型板送り 25mm

これをナイロンテープに通し、ミシンで縫い付け。
テープは1m厚の薄手のものなので、家庭用ミシンでも楽に縫えました。

そしてハトメ打ちで穴を開け、亀の甲ホックを取り付けたら完成。
何年も面倒くさがってた割には、1時間足らずで作れちゃいました。

HT-1Aに取り付け。うん、我ながら満足のゆく出来栄えです。
ベルト長もちょうどいい感じです。

ヴィレッジ・ラジオと黒アオババの最強コーデでこの夏の流行を先取り。
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