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2019年10月19日

改訂版 ベトナム海兵隊のネームテープ色

 過去記事『部隊識別色』で、ベトナム海兵隊の作戦服ネームテープは大隊毎に色分けされていた事、そしてその色の例を示しましたが、その後、より信頼性の高いソースから新しい情報が得られました。今まで知らなかった事や、逆に今まで知っていたものと異なる内容もあったので、改めてこの新しいソースに沿った大隊識別色一覧を作り直しました。

※2021年2月7日訂正。
内容を再度検証したところ、以前のこの記事に載せたネームテープ色一覧の中には、出典に書かれていた内容は正しかったのに、僕がその内容を読み間違い、一部に誤った情報を載せていた事が分かりました。お詫びして訂正いたします。詳しくはこちらをご覧ください。

改訂版 ベトナム海兵隊のネームテープ色


 今回ソースとしたものは、ベトナム陸軍空挺師団戦友会Gia Đình Mũ Đỏ Việt Nam(ベトナム赤帽家族)』のホームページ内にある、海兵隊の組織・軍装に関するページです。
※この赤帽家族は空挺師団の戦友会ですが、ホームページでは空挺師団以外のベトナム共和国軍各部隊の編制・軍装についても詳しく解説されています。一次史料ではないのでこれが確実なものとは言い切れませんが、ベテランが公式サイトで公表している情報であり、また他のどのソースよりも内容が豊富、かつ当時の写真史料との矛盾も見当たらないので、現状ではこれが一番信頼性の高いソースだと私は思っています。

 私は今まで、名前(文字)の色は、単純に刺繍製が白・黄色等の明色系で、プリント製が黒色だと考えていました。(プリント製の場合、カラー下地の上にインクを重ねる都合上、黒文字は下地を塗りつぶせるので問題ないが、明るい色では下地が透けてしまいプリントに適さない)
 しかし、この新しいソースによると、どうやらこの予想は間違いだったようです。

改訂版 ベトナム海兵隊のネームテープ色

 例えばこれまでの認識では、上の写真では、左の人物が赤地に黒文字、右の人が赤地に白文字なので、二人とも同じ第4海兵大隊に所属しており、単にネームテープの製法がプリント(黒文字)と刺繍(白文字)で違っているだけだと考えていました。
 しかし件の新ソースに従えば、左(赤地に黒文字)は第4海兵大隊ですが、右(赤地に白文字)は衛生大隊であり、二人は別々の大隊に所属している事になります。異なる大隊の兵士が一緒に居る事はそう多くはないかと思いますが、衛生大隊であれば、海兵師団の各大隊の衛生業務を一手に担っているので、一緒に写真に写っていても不自然ではありません。なのでこの写真の場合は、たまたま下地の色が同じ赤色である第4大隊と衛生大隊の人物が一緒に居合わせたものであると解釈できます。

 ただし、第468海兵旅団およびその隷下の第14,16,18海兵大隊が編成されたのは終戦間際の1975年初旬であり、この三大隊については当時の写真はおろか、ベトナム海兵隊戦友会公式サイトにもその活動の記録はほとんど記載されていないので、実際にこのようなネームテープが使われていたかどうかは確認が取れていません。もし仮に、規定上こういった大隊識別色が制定されていたとしても、国土の半分を失陥し大混乱に陥っていた時期に、兵力補充のため訓練中だった新兵によって新設され、部隊章すら制定されなかったこれらの部隊が、各自規定通りのネームテープを作成して着用する余裕があったかは疑わしいと思いっています。


おまけ1:初期ERDLパターン迷彩服を着ている海兵隊員

改訂版 ベトナム海兵隊のネームテープ色
 海兵隊員が初期ERDL(通称インビジブルorコマーシャル・リーフ)パターンを着ている珍しい例。
 この初期ERDLパターンは1965~1967年頃まで陸軍空挺部隊やレンジャー部隊で多用されましたが、海兵隊での使用例はこの一例しか見た事がありません。海兵隊には1967年から、改良型の1966年型ERDLパターン(通称グリーンリーフ)仕様の迷彩服の支給が始まりすが、それ以前にERDL系の迷彩服が使用されている例は初めて見ました。なので、この服は支給品ではなく、兵士が個人的に購入・着用しているものと思われます。


おまけ2:キャンペーンハットを着用する海兵訓練センター教官

改訂版 ベトナム海兵隊のネームテープ色
 当時ベトナムでは、キャンペーンハットはボーイスカウトの制帽としては一般的でしたが、軍で使用されていた例は初めて見ました。もろにアメリカ海兵隊のスタイルを模したものだと思います。
 もともと海兵隊は陸軍や地方軍に比べてはるかに規模が小さいので、海兵訓練センターの写真自体レアなものです。




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