2024年12月29日
東洋漫遊記①サイゴン
12月後半、ベトナムとラオスを旅してきました。
まず、旅の始まりの地サイゴンでは、前もって会う約束をしていたトニー君と初対面。
ベトナムには「ARVN好き」を名乗るマニアはそれなりに居ますが、正直、総じてレベルは低いと感じています。
そんな中で、彼は年齢は若いですが、飛びぬけて知識が豊富で、ベテランとのコネも多く持つ一流の研究者の一人なのです。
そんなトニー君の運転するスクーターに乗って一緒にヤンシン市場に行きました。
僕は数年前、ヤンシン市場を訪れた際にベトナム戦争期のベトナム共和国軍野戦服ボタンと同型の物(おそらく戦後も同じ型で人民軍向けに生産が続いた)を100個ほど買ったことが有るので、今回もそれを買いに行きました。
しかし軍装品店でボタンちょうだいと言うと、かなり奥にしまってあるので今日は取り出せない、別の日に来てくれと言われてしまいました。ガッカリ
後日トニー君に代理で買ってもらい、日本に送ってもらう事になりました。
他には特に探している物は無かったので、適当に市場内を歩き、気になった物を購入。
①コンナイの瓶
コンナイ(鹿)はサイゴン市チョロンに本社を置く華人系のフントアン(Phương Toàn)社が生産していたサルシ(シオデという植物の種から作られるソフトドリンク)で、ベトナム共和国期はBGI社のコン・コップと双璧をなした人気炭酸飲料だったそうです。
▲コンナイの販促ポスター
なお上の記事によると、フントアン社は当時、ライバルの米国ペプシ社のベトナム市場参入を阻むため、ベトナム国内の空き瓶回収業者に金を渡してペプシの空瓶を破壊させたそうです。これによりペプシは毎回米国から新品の瓶を輸入せざるを得ず、コストがかさんだため本格参入できず、ベトナム共和国期の飲料市場はBGI社とフントアン社の独占状態だったそうです。
その後、フントアン社は1975年の終戦後もコンナイを生産し続けましたが、1980年代にひっそりと経営破綻したそうです。なので今回買った瓶がベトナム共和国時代の物なのか戦後製なのかは分からないのですが、少なくとも瓶の外観は共和国時代と同一っぽいので記念品としては満足です。
②ベトナム共和国パスポート
こちらはアンティークショップで見つけた掘り出し物です。
これだけ良い状態で残っているのは正直驚きでした。
持ち主は軍人のようです。
1958年にカンボジア(クメール王国)に渡航しており、中にはその時のクメール語の書類も残っていました。
おまけ
こちらは僕ではなく、トニー君が買った古写真。
空挺師団の偵察中隊という割とレアな写真です。4ポケット作戦服を着ているのでおそらく1973~1975年頃のもの。
右胸ポケットの丸いパッチが空挺師団内の偵察中隊(第1~第3中隊共通)で、左胸のネームテープの上にあるのが長距離偵察証です。
(関連記事『偵察中隊/ベトナム軍LRRP』参照)
今回、人と会う約束をしていたのはこの日のみなので、翌日から本当の一人旅がはじまります。
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