2022年01月30日
ベトナム陸軍の帽章・階級章
※2022年2月2日更新
※2022年2月18日更新
陸軍帽章の変遷
1949年~1955年:フランス連合期
バナーの文字は『Quốc gia Việt Nam』
1955年~1963年:第一共和国期
共和制移行に伴いバナーの文字が『Việt Nam Cộng Hòa』に変更
1963年~1964年:ジェム政権末期
1963年に各軍の帽章のデザインが一新されるが、間もなく発生した軍事クーデターによってジェム政権が崩壊したため、このデザインは短命に終わる
1964年~1967年:軍事政権期
クーデター後、1963年制定の帽章は廃止され、変更前のデザインに戻る
1967年~1975年:第二共和国期
新憲法施行に伴い、軍の体制を大幅に改革。帽章や階級章なども改定される
陸軍階級章の変遷
ベトナム国軍(当時の名称はベトナム国家衛兵隊)はフランス連合期の1949年に、それまでフランス軍(主に植民地軍)に所属していたベトナム人兵士を新たに組織された国軍に充てることで発足しました。またその後もベトナム国軍はフランス連合軍の一部として1955年までCEFEO(極東フランス遠征軍団)の指揮下にありました。
この関係は陸軍の階級章にも表れており、ベトナム国軍期の兵~中級下士官の階級章はフランス軍(特に植民地軍)をベースとしながらも、独立国として独自の変更も加えられており、シェブロンの向きはフランスと上下逆さまになっています。この下向きシェブロンのデザインはフランス連合脱退後のベトナム共和国軍にも継承され、終戦まで長きに渡って使用されました。
ベトナム国軍では兵~中級下士官の階級章に変更が加えられた一方、上級下士官~士官の階級章は、フランス軍のような部隊を示す刺繍がなくなっただけで、全く同じデザインが用いられました。
しかし1955年以降のベトナム共和国軍期に入ると、そのデザインは完全に一新されます。
さらに1967年に新憲法が施行され第二共和国期に入ると、帽章と併せて階級章のデザインも変更が加えられました。
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