カテゴリ
News! (95)
銃器 (60)
映画 (21)
音楽 (17)
言論 (31)
民生 (4)
阮朝 (4)
人物 (34)
式典 (3)
BB/歩兵 (32)
ND/空挺 (51)
KB/騎兵 (8)
PB/砲兵 (1)
TT/通信 (3)
QV/輸送 (2)
HQ/海軍 (9)
KQ/空軍 (11)
QY/衛生 (2)
QC/軍警 (6)
軍犬隊 (1)
FULRO (12)
デガ (27)
モン族 (22)
ヌン族 (9)
本土軍 (2)
コマンド (11)
SDECE (3)
1914-1918 (5)
1918-1939 (10)
1939-1945 (24)
1945-1954 (93)
1954-1975 (490)
1975-1989 (21)

2014年02月08日

レアな写真

※2015年8月22日更新
※2024年4月13日更新


南ベトナム陸軍の各歩兵師団には師団直属の偵察中隊が存在しましたが、空挺師団(※)にも各旅団ごとに1個中隊ずつ、計3つの空挺偵察中隊(空挺LRRP)がありました。
※『空挺師団(Sư Đoàn Nhẩy Dù)』は固有の部隊名であって、第○と師団番号は付かない

レアな写真
▲空挺偵察中隊の部隊章(全中隊共通)

このパッチのリプロ品は持ってるんですが、肝心の当時使われていた写真を見た事が無かったんです。
それが最近ようやく見つかりました。

レアな写真
▲空挺師団第2旅団第2偵察中隊長チュオン·ヴァン·ウット大尉

パッチでかっw しかも胸に付けてる・・・。
市販のリプロ品は直径4cmくらいなので、てっきり空挺大隊/中隊パッチと同じく、肩のエポレットに付ける物だと思っていました。
また、リプロは機械織り(所謂BEVO)ですが、写真のパッチは大きさ的に機械織りとは考え辛いです。
これが手刺繍なのかシルクプリントなのかは断言はできませんが、なんとなくシルクプリントに見える気が・・・。
今度自作してみよーw

また、この人が着ている服も面白いです。
ぱっと見、フランス軍のM47系空挺服(Veste TAP model 1947)っぽいですが、襟にドカジャンみたいなボアが付いてるんです。
この空挺ドカジャンは他にも使用例がありまして、同じく空挺師団衛生大隊主任軍医チャン・ドゥック・トゥオン博士が着ている写真が残っています。

レアな写真
レアな写真
▲空挺師団衛生大隊の面々

ウット大尉もトゥオン博士も、ポケットの形は仏軍で言うM47/56で、リザード迷彩の色合いも周囲のM47/53とは明らかに異なります。
南ベトナム軍で使われていた空挺服は、M47/53は第1次インドシナ戦争終結時にフランス軍が置いていった物をそのまま使っていますが、M47/56の場合は韓国に発注して作らせたコピー品だったと聞きます。
(韓国の業者は、時代的に手に入りやすかったM47/56をコピーした模様。南ベトナム側も、53と56の違いは気にしなかったっぽい)
なのでこの空挺ドカジャンも、韓国製M47/56の亜種と考えていいかも知れません。欲しいなコレ・・・
※豊丸先生よりご指摘いただきました。トゥオン博士の空挺ドカジャンは韓国製ではなく、フランス軍の迷彩ポンチョ生地でリメイクしたもののようです。

また話が変わりますが、上の衛生大隊の中央の茶色いパーカー。これもよく分かりません。
(オーストラリアではなく)オーストリア軍のパーカーに見えなくも無いですが、そうだとしても、なぜ南ベに来たのか分かりません。
分からないと言えば、これ↓の右から二番目の人が着てるジャケットも謎です。

レアな写真
▲空挺師団第1空挺旅団長ホー・チュン・ハウ大佐(右端) 1972年ケサン

これらはヨーロッパどこかの国のものだと思うのですが、この時期のヨーロッパの軍服には詳しくないので、ご存知の方はご一報下さい。


お次はTQLC(海兵隊)。
TQLCの制服というのを始めて確認しました。マジで珍しい写真だと思います。(そもそもTQLCって人数少ないし)

レアな写真
▲TQLC師団本部P3(作戦参謀)参謀長ファン・キョン・トン少佐

南ベトナム軍はフランス軍を前身としていることは何度も述べてきましたが、『フランス海兵隊』は通常フランス陸軍の海外植民地部隊という意味で、その後継は南ベトナム陸軍であり、TQLCではありません。
TQLCはもともとフランス海軍コマンドに所属する部隊であり、独立後も彼らの身分は南ベトナム海軍でした。
なので、50年代のTQLC将校が海軍の制服を着ている写真は確認していました。(帽章と階級章はTQLC用なので若干違います)

レアな写真
▲アメリカ海兵隊士官学校への留学に出発する7名のTQLC将校とTQLC司令官レ・ニュー・フン中佐(写真中央)(1957年12月)

1960年になると、TQLCはアメリカ海兵隊のように海軍から半独立した"軍"(名誉ブランチ)となり、以後陸軍部隊としての性格を強めます。
なのでそれ以降、海軍の制服は着ていないだろうと思っていましたが、かと言って他の制服を着ている写真も、その存在を言及した本も今まで見たことありませんでした。
今回確認したトン少佐の服は、陸軍(というか海・空軍を除く共和国軍)で一般的なスタイルの開襟4ボタンジャケット(たぶん)。
ぜひカラーで拝見してみたいものです。


続いてQC(憲兵隊)の制帽。

レアな写真
▲白の儀仗制服で制帽を着用するQC(右端)

式典などで小さく写ってるのは確認してたのですが、ようやく鮮明な写真が見つかりました。

レアな写真レアな写真

2枚とも帽章が違うように見えますが、これは年代によるもので、どちらも共和国軍(=陸軍)の帽章です。
(1枚目が1949~1967年のタイプ(厳密には時期によって違うけど)で、2枚目が1967~1975年のタイプです)

2枚目の写真にある"KBC"というのは南ベトナム軍の軍事郵便番号で、当時存在した全ての部隊に割りふらてられており、実質的な部隊コード番号として使われていました。
現在でも在米アソシエーション等がこのKBCを部隊名代わりに使っているので、KBCを把握する事は南ベトナム軍マニアの急務と言えます。
するとなんと、南ベトナムの軍事郵便を研究しているアメリカ人のマニアが、このKBCをリスト化して公開されてました!
ただ、残念ながら、この写真にある"KBC 4645"という番号がどの部隊を指しているのかは現状では不明だそうです。

なお、式典の写真に写っている、白い儀仗礼服は憲兵以外でも使われています。(と言うかこっちの方がよく見る)

レアな写真
総統府で儀仗を行う儀仗群(Liên Đoàn An Ninh Danh Dự)


レアな写真
▲総統府ほか首都サイゴンの重要施設の警備に当たる首都保安群(Liên Đoàn An Ninh Thủ Đô)

上記二つの部隊は、ベレー章は陸軍一般兵科用のものですが、将校であっても黒ベレーを被っている(一般兵科の黒ベレーは兵下士官用)ので、階級に関係なく部隊の制服として黒ベレーなんだと思います。


レアな写真
▲何ていう部隊か不明だけど、総参謀部(BTTM)直属の儀仗隊
台湾軍みたいな銀ピカヘルメットはこれしか見た事無いです。時代が下るとこの部隊自体見ないので、上記の儀仗隊に改編されちゃったのかも。


また変な写真見つけたらご紹介しますヾ(*>▽<*)ノシ 



同じカテゴリー(【ベトナム共和国軍】)の記事画像
師団番号について
続・右側飾緒の謎
階級の渾名
東洋漫遊記⑫サイゴン(帰路)
東洋漫遊記④国道9号線
東洋漫遊記①サイゴン
同じカテゴリー(【ベトナム共和国軍】)の記事
 電子版発売しました (2025-04-01 21:04)
 師団番号について (2025-03-19 08:56)
 続・右側飾緒の謎 (2025-03-13 21:11)
 ベトナム共和国軍の軍装1949-1975 Vol.1発売 (2025-03-07 15:15)
 階級の渾名 (2025-03-04 09:39)
 東洋漫遊記⑫サイゴン(帰路) (2025-01-16 09:32)

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。