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2017年01月14日

警察迷彩服の続き

リプロお直し

以前『警察迷彩お直し』で手を付け始めてからしばらく放置していたリプロのベトナム国家警察迷彩服がとりあえず形になりました。

<新品状態>

警察迷彩服の続き


<改造後>

警察迷彩服の続き

 ジャケットはポケットの形を縫い直して、ボタンを別の物に交換、さらに自作のパッチを付けています。今後、もしやる気が出たらエポレットを追加して、半袖に改造しちゃってもいいかなと思ってます。パンツは特に面白くないので写真撮ってませんが、カーゴポケットを外して、ケツポケットは2ボタンのままマチの無い貼り付け式に改造しました。
 胸の部隊章は第222野戦警察群(Biệt Đoàn 222 CSDC)です。この部隊は要請に応じて全国に展開する即応部隊だったので、ヒストリカルイベントの際、他部隊と一緒に写真に写った時に、「その部隊は当時全く別の地域に居たので一緒に写っているのはおかしい」という状態にならないで済むので便利だなと思った次第です。しかしこの部隊内の構成はまだ調べ切れていないので、右袖に中隊パッチは付けていません。
※野戦警察の組織については過去記事『野戦警察』参照

警察迷彩服の続き
▲第222野戦警察群と思しきパッチを付けた人たちが袖に第601中隊のパッチを(なぜか左袖に)付けている写真があったけど、まだ確証は得られていないので今回は作ってません。


野戦警察における階級章

 野戦警察はベトナム国家警察内の戦闘部隊(日本の警察で例えると警備部・機動隊)ですので、当然ながら隊員のほとんどは警察官であり、国家警察の階級章を身に着けていました。

警察迷彩服の続き 
▲国家警察の肩章式(制服用)階級章。この他に略式のスリーブ式(両肩)、バッジ式・金属バッジ式(胸に着用)が用いられました。

 しかし当時の写真を見ていると、野戦警察の将校の中にはしばしば警察ではなく陸軍の階級章を付けている者もいる事に気付きます。僕はこれらの例について当初、野戦警察は陸軍と共同で任務に当たる事もある戦闘部隊である為、陸軍側に階級を示すために警察将校が勝手に身に着けているものだと思っていました。ところがその後、どうもそうとは限らない事を示唆する写真が出てきました。

警察迷彩服の続き
 この写真の撮影時期は不明ですが、皆作戦服姿で胸に警察戦誉勲章(Cảnh Sát Chiến Dự Bội Tinh)を佩用していることから、野戦警察における勲章授与式の写真だと思われます。ここに写っている兵士のほとんどは胸に警察下士官のバッジ式階級章を付けているのですが、真ん中のアーミーグリーン作戦服を着た人だけは、襟に陸軍中尉の階級章(刺繍)を付けています。そして彼の頭には、陸軍(一般兵科)将校用のベレーが乗っています。
 つまり彼は、陸軍の階級章を付けた警察官ではなく、正規の陸軍将校である可能性が高いという事が分かります。しかし警察の勲章を佩用し、胸ポケット上に青い警察のネームテープを付けている事からも、所属部隊は明らかに野戦警察のようです。なぜ野戦警察に陸軍将校が所属しているのでしょうか?
 これについて文献での確認はまだ取れていませんが、ある程度推測する事は可能です。まずベトナム共和国国家警察は、少なくともゴ・ディン・ジェム政権に対するクーデターによって軍事政権が発足した1963年11月以降、ベトナム共和国軍総参謀部の指揮下にありました。歴代の国家警察長官や警察幹部は軍の高官が兼任しており、国家警察は国内の治安を担当する軍の下部組織という状態でした。テト攻勢の際のテロリスト射殺で知られる国家警察長官グエン・ゴック・ロアン少将も、元々は空軍の戦闘機パイロットでした。
 そのため軍人が警察に出向する事は決して珍しい事ではなく、中でも特に軍と共同で戦闘任務に当たる野戦警察は、より軍と近しい関係にあったと思われます。したがって当時の野戦警察に見られる陸軍の階級章を付けた者たちの中には、軍から警察に出向している陸軍将校が多く含まれているはずと推測しています。



今後の製作物

 警察の階級章欲しいけどレプリカ売ってないし、自作するにも銀テープの織り目が独特だから材料が無いんだよね。どこかに良い代用品ないかなぁ~と探してたら、ありましたよ。我らがダイソーに。

警察迷彩服の続き

100円で階級章10人分くらい作れる。うひひ




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この記事へのコメント
タイガさん

お久しぶりです。

私も、15年前位に買いましたが、当時は良い値段しましたね!今じゃだいぶ安いとは!

私も、上下ともポケットをマチを無くしてペタポケット改造とエポレットも追加しました。
EAからベトナム警察迷彩服のリプロ発売を期待しております。

タイガさんのリプロカスタムと当時資料は参考になります。ボタンは何色ですか?

参考までに教えて下さい。
白黒写真のように当時はシングルボタンと
ダブルボタンジャケット何方が多かったのですか?階級もしくはロットによって違いがあるのですか?

それと、PRU(地方偵察隊)はベトナム警察迷彩服は着用していたのでしょうか?
タイガさん調査では陸軍将校が出向されているよですが、PRUのベレー徽章(RVN PRU (Provincial Reconnaissance Unit/地方偵察隊))と同じマークが
ベトナム警察RVN CSDC (国家野戦警察) TSDB (特殊偵察チーム)に使用されたりと、共同での作戦や後に統合されたのでしょうか?

すみません、私の長年の謎でして、専門家
のご意見と見解を頂ければ、幸いに存じます。

長くなりました。何時も勉強になります。

今年もタイガさん御活躍を九州からお祈り申し上げます。

では、また
Posted by 寅と緑葉 at 2017年01月15日 03:34
寅と緑葉さん

ご無沙汰しております。
この服は発売から数年後、ナム戦ブームが過ぎ去ったあとに上下セットで2000円で投げ売りされていた時期もあるそうです。しかしその後在庫が枯渇し、近年は逆にヤフオクなどで高値がついていたそうです。僕は2年前、それを知らない業者が昔のように処分価格で売っていたのを運良くゲットできた次第です。
EAのクラウド本当に楽しみですね!

ボタンは軍と同じグリーンでも良かったのですが、今回は見た目のカッコ良さ重視で、あえてブラックにしました。ただし家にあった洋服用のボタンなので、よく見るとインチキだとバレます(笑)

シングルとダブルボタン
残念ながら、僕はまだその規則性は見いだせていません。どちらもかなりたくさん見るので、少なくともシングルボタンが主だった軍の作戦服とは別系統で発展した服のようです。この辺は実物コレクターの方が詳しいので、僕も知り合いに聞いてみます。

PRUが警察迷彩を着用
この話はおそらく、プロジェクト・フェニックスの際に警察とPRUが合同で活動した際、両組織の隊員が混同されたために生じた話ではないかと思っています。PRUは軍(地方軍)の部隊であるため、警察の服が支給された可能性は低いと思います。PRU隊員が個人で入手して着ている場合は別ですが、基本的にはPRUは警察の服を着ないものと考えます。

PRUベレー章のデザインが野戦警察にも使われている件
本当のところは分かりませんが、一般論としては、それもプロジェクト・フェニックスの際のパッチではないかと推測します。プロジェクト・フェニックスでは各軍団の特別警察本部の指揮下で野戦警察やPRU中隊、民兵組織が合同で(タスクフォースとして)活動したため、そのパッチが警察だけでなくPRU等を含めた合同偵察(パトロール)部隊のものだったとしたら、対ゲリラパトロールを専門とするPRUのシンボルが使われてる事も説明がつくかなと思います。

以上、推測ばかりで恐縮ですが、僕の見解になります。今後間違いが見つかるかも知れないので、何か分かったら、その都度記事にしていきますね!
Posted by タイガタイガ at 2017年01月15日 17:44
第601中隊のパッチを(なぜか左袖に)付けている写真なんですが、もう一人隣に座っている人の右肩が写っているように見えます。
Posted by 自爆工兵 at 2020年02月13日 22:06
自爆工兵さん
ご指摘ありがとうございます。確かによく見ると、隣の人の右袖のようですね。
となると601も第222団内の中隊のように思えてきますが、600番台は数字の並び方が複雑なので、まだ確信は持てません。引き続き資料集めをしていこうと思います。
Posted by 森泉大河森泉大河 at 2020年02月14日 10:26
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