2022年10月02日
XM16E1
※2022年10月3日更新






前記事『コルト604』で書いたように、JACベースのM16(コルト604 1964年型)風ガスガンを、さらに別モデルに改造していきます。
目標とするのは、コルト第2世代AR-15の米陸軍モデルであるXM16E1 (コルト603 1964年型)です。
コルト603と604は兄弟機種であり、単に陸軍仕様(603)がアッパーレシーバーにフォアードアシスト付き、空軍仕様(604)がフォアードアシスト無しという違いしかないので、改造とは言うものの、実際はアッパーレシーバーをJAC純正のフォアードアシスト付きタイプに戻すだけです。
なおJACのメタル製レシーバーには実物のストックが組付けられるものの、プラ製の方には組めなかったので、実物ストックが組めるよう取り付け部分を少し削りました。
そして上下レシーバーを同一色(パーカーシール)で塗装。ついでにボルトキャリアもクロームメッキ風に塗装。

これに、手持ちのM16A1(コルト603 1967年型)に付けている実物ストックを乗せ換えて、XM16E1が完成。


過去に散々ベトナム戦争期のAR-15について蘊蓄語ってきたのに、今頃かよって感じもしますが、これには訳があるんです。
確かにベトナム派遣アメリカ軍やFWMF(自由世界軍)では、1965年以降大量のXM16E1が使用されました。
しかし僕のライフワークであるベトナム共和国軍にXM16E1が配備開始されたのは、僕の知る限り1967年2月と比較的遅く、さらにその翌年の1968年初頭には新型のM16A1(コルト603 1967年型)の大量配備が開始されました。
つまりベトナム共和国軍では、装備するAR-15系ライフルのうち、XM16E1が主だった期間はわずか1年ほどで、しかも装備するのは一部のエリート部隊に限られていました。
一方M16A1は1968年から1975年まで7年近くアメリカから供与され続け、ベトナム共和国軍全軍に行き渡ったので、その数はXM16E1とは比べ物になりません。
なので僕にとって、ベトナム戦争リエナクトに必要なAR-15は圧倒的にM16A1であり、XM16E1の優先度は低い物だったのです。
(でもマニア心に突き動かされ、もっと配備数の少ないコルト601は先に作っちゃった。)

▲ベトナム共和国軍のXM16E1マニュアル BT 22-24の表紙
米軍マニュアルFM23-9(1965年版)をベトナム語訳したもので、このマニュアルの発行自体は1966年のようですが、実際に前線にXM16E1が配備された記録としては、1967年2月のジャンクションシティー作戦に参加したベトナム海兵隊A戦闘団に配備されたものが僕の知る限り一番古いものです。

▲XM16E1を装備するベトナム海兵隊員[1967-1968年頃]
おまけ
余ったフォアードアシスト無しアッパーレシーバーを、同じくJAC製のXM177E2(コルト629)に組み込むと、GAU-5A/A(コルト630)に早変わり。

写真撮ってみたかっただけで、GAU-5A/A自体に特に思い入れは無いので、今後また何か違うモデルに変化するかも知れません。
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