2023年11月05日
ノジャンシュルマルヌ慰霊祭
※2023年11月9日更新
ただいま日本。土曜日の夜遅くに帰国しました。
フランスでは観光もしましたが、今回の旅の主たる目的は、ノジャンシュルマルヌの軍人墓地にて開催された、ベトナム軍*戦没者慰霊祭への参列でした。
この慰霊祭は第一次インドシナ戦争からベトナム戦争にかけて、共産主義者によるテロからベトナムを防衛すべく戦い命を落とした約30万人のベトナム軍戦没者を追悼するもので、毎年11月2日にノジャンシュルマルヌ墓地のインドシナ人・自由ベトナム軍人記念碑前で執り行われており、今年で23回目の開催になります。
※ベトナム軍の名称は以下の変遷を辿っています。なお私はベトナム人民軍を「ベトナム軍」と呼ぶことはありません。
1949-1952: ベトナム国家衛兵隊(VBQGVN)
1952-1955: ベトナム国軍(QĐQGVN)
1955-1967: ベトナム共和国軍(QĐVNCH)
1967-1975: ベトナム共和国軍(QLVNCH)
式の主催はフランス在住ベトナム軍退役軍人および空挺部隊協会。加えてUNP(全国落下傘兵協会)等のフランス退役軍人協会ならびにノジャンシュルマルヌ市が協賛しています。そのため式にはフランス在住ベトナム人に加えて、多数のフランス退役軍人ならびに現役の外人部隊、ノジャンシュルマルヌ市関係者が参列しました。
式ではまず、主催代表のホアン・コー・ラン大佐(ベトナム陸軍空挺師団軍医)が式辞を述べ、次いでフランス軍空挺部隊所属のカトリック司祭ならびにベトナム人仏教僧が祭礼を執り行いました。
私を招待してくれたカオ准尉(フランス海兵隊ベテラン)に聞いた話では、在仏共産ベトナム大使館は以前からこの慰霊祭を中止するようノジャンシュルマルヌ市役所に圧力をかけているそうです。幸い、今の副市長がたまたま元外人部隊将校だったのでこの手の慰霊祭には理解があり、今回も滞りなく開催できましたが、今後の市長選の結果次第では、引き続きこの慰霊祭が開催できるか不透明だそうです・・・。
国外での慰霊祭すら潰しにかかるベトナム共産党政府の性根の悪さよ。
この慰霊祭は1954年の『ディエンビエンフーの戦い』およびその後のベトミン軍による抑留の中で命を落としたフランス連合軍将兵を追悼するもので、主催はANAPI(全国インドシナ抑留者連合協会)会長フィリップ・ド・マリーシエ少将、ディエンビエンフー従軍軍人協会会長ウィリアム・シラルディ氏の両名です。
これまで文献で知っているだけの存在だった伝説的なベトナム軍将校の方々と生でお話しできて感無量でした。詳しい話は後日あらためて記事にします。
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