2018年10月16日
儀仗・首都警備部隊
※2019年11月29日更新
※2022年3月8日更新
※2022年7月15日更新
※2024年6月26日更新
儀仗・首都警備部隊の成り立ち
ベトナム国時代(1948-1955)、ベトナム国長(阮朝皇帝)バオダイおよびフランス要人への儀仗はベトナム国軍の近衛部隊が担っていた。
1955年10月、国民投票によりバオダイが追放され、ゴ・ディン・ジエム首相がベトナム共和国初代総統に就任。サイゴンのノロドン宮殿に総統府(Phủ Tổng Thống)が置かれる。また南ベトナムをフランスから独立させたジエム総統の功績を称え、ノロドン宮殿は「独立宮殿(Dinh Độc Lập)」と呼ばれるようになる。
共和制への移行から2か月後の1955年12月31日、ベトナム国防省はダラット駐屯の第22近衛大隊を改編し、サイゴンにて総統府防備部隊(Lực Lượng Phòng Vệ Phủ Tổng Thống, 以下PVPTT)を発足させる。
1960年1月1日、PVPTTの部隊名が総統府防備群(Liên Đoàn PVPTT)に改称される。この時点ではPVPTTは国防省直属の部隊であり、本部はサイゴン1区の総統府(独立宮殿)に隣接していた。
1961年6月1日、ベトナム共和国軍はサイゴン市およびザーディン省にまたがる首都圏を首都独立区(Biệt Khu Thủ Đô, 以下BKTĐ)に制定し、政府重要施設(総統府除く)を警備する首都独立区部隊(Lực Lượng BKTĐ)が創設される。部隊は第306、307、308、309、310中隊の計5個中隊で構成され、それぞれ国防省本庁舎、首相官邸、総参謀本部、そしてサイゴン・ラジオおよびテレビ局の警備を担った。
1962年5月25日、PVPTTは総統府防備兵団旅団(Lữ Đoàn Liên Binh PVPTT)へと発展・改称される。
1963年11月1日に発生したクーデターでPVPTTは革命軍と交戦。翌11月2日、PVPTTは解散され、BKTĐが総統府の警備も担う事となる。
儀仗・首都警備部隊の制服および部隊章
【近衛大隊: 1948-1955年】

フランスから返還された大南皇帝の金印とサーベルをバオダイ(保大帝)に捧げる近衛兵 [1952年 ダラット]
1. 近衛兵外出服 2. 近衛兵袖章 3. 近衛大隊部隊章およびベレー章
【総統府防備隊(PVPTT): 1955-1963年】

ジエム総統への儀仗を行うPVPTT隊員 [1962年11月18日 サイゴン]
1. PVPTT隊員 2.PVPTT部隊章兼ベレー章 3.PVPTT肩章(将校用)
ベレー色は赤だったとする説もあるが、カラー写真は未確認。袖につける部隊章は存在しない模様。
1963年11月革命で革命軍の襲撃を受け損壊したPVPTT本部 [1963年サイゴン]
【首都独立区(BKTĐ)警備中隊: 1961-1965年】

63年11月革命から1年を祝う国慶日パレードで政府首脳に栄誉礼を行うBKTĐ警備中隊らしき部隊[1964年11月1日 サイゴン]
BKTĐ警備中隊と思われる画像はまだ不鮮明なものしか見付けられていません。
BKTĐ部隊章
なお警備中隊が独立した後も、BKTĐのその他の部隊はサイゴン市内の政府関連施設の警備や、式典の際の祝砲などの任務を継続していく。
※1965年以降の儀仗及び衛兵部隊については、『儀仗・首都警備部隊』の訂正』をご覧ください。
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