2022年10月29日
タイガーストライプの始まり Part 4
過去記事『タイガーストライプの始まり Part 3』にて、1958年撮影とされるベトナム海兵隊の写真にザーコップ(タイガーストライプ)迷彩服が写っていると紹介しました。また、その記事を書いた時点では、その写真が僕がザーコップの使用例を確認した一番古い時代の物でした。
しかし先日、1957年の国慶日(10月26日)パレードの映像を見ていたら、普通にザーコップを着ている海兵隊が写っていました。

動画からのキャプチャなので不鮮明ですが、服は最初に生産されたザーコップ迷彩服として知られる、VMX/エクスペリメンタルパターンの仏軍TTA47型(より正確には、上着は軽量型TTA47/52)で間違いないと思います。この服は1957年製造スタンプが確認されているので、1957年の映像に写っている事とは矛盾しません。(過去記事『ザーコップ:ベトナム海兵タイガーの分類』参照)

また、左袖に付いているパッチは当時の海兵隊で唯一の歩兵部隊である第1上陸大隊(Tiểu Đoàn 1 Đổ Bộ)のものです。

この記事シリーズのPart1である『タイガーストライプの始まり』に挙げた、「1960年以降、海兵隊の戦闘服は『虎の皮(da cọp)』として知られる緑地に黒色の波の迷彩となった。」というチャン・バン・ヒェン中佐による記述から、僕はザーコップ迷彩の制式採用は1960年であり、それ以前は試験的な配備だと当ブログで書いてきました。
しかし今回の1957年の映像を含め、1950年代中に多数のザーコップの着用例が見られることから、実際には試験か制式かなんて関係無く、シンプルに1957年採用と考えた方が良い気がしてきました。
この記事を書くにあたってPart1を書いた日付を見直したら、2013年。「タイガーストライプの始まり」というテーマを掲げてから、9年もかけてようやく本当の始まりらしき部分にたどり着きました。
いや、 ジョンソンのタイガー本には最初から1957年製の写真が載っているのだから、素直にそういうものだと思ったらよかったのですが、僕は興味のある事は自分で調べないと気が済まない性格なので、納得するまでにこんなに長い年月がかかってしまいました。
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