2024年09月21日
調査中の制服・徽章(第一共和国期)
※2025年3月14日更新
なので、まとめと言える状態ではないですが、もしかしたら広い世の中には同じ分野に興味を持っている人が誰か居るかもしれないので、今現在分かっている事を公開してみます。
①保安民衛局(Nha Bảo An và Dân Vệ)



②公安警察総局(Tổng Nha Cảnh Sát Công An)


保安民衛局はベトナム共和国内務省内の民兵部門で、1955年から1964年まで全国に民兵組織『保安隊(Bảo An Đoàn)』と『民衛隊(Dân vệ đoàn)』を擁しました。
その後、これらの民兵組織は1964年に国防省に移管され、『地方軍(Địa Phương Quân)』および『義軍(Nghĩa quân)』へと発展。それらを統括する『地方軍・義軍本部(Bộ Tư lệnh Địa phương quânn-Nghĩa quân)』が設置されました。
(地方軍発足以降については過去記事『地方軍』参照)

▲保安民衛局徽章

▲保安民衛局の帽章

▲保安民衛局職員の制服
肩章に保安民衛局の徽章、加えてもう一つ星が付いているので、これは階級章と思われますが、この写真以外にはまだ何の情報もありません。
1955~1962年まで、ベトナム警察は『公安警察総局(Tổng Nha Cảnh Sát Công An)』の下部組織であり、その公安警察総局では警察とは異なる独自の制服・徽章が着用されていました。

▲公安警察総局職員の制服
肩章には何かケバケバしい模様とCACS(公安警察)の文字が刺繍されています。
この模様の部分は、人によってデザインが違うように見えるので、もしかしたらこの模様で階級を示しているのかも知れません。
しかし、こちらもまだまともな資料を見た事ありません。
参考までに、同時期(公安警察総局隷下)のベトナム警察の制服と肩章・帽章はこちら

その後、1962年に公安警察総局は解体され、新たに『国家警察(Cảnh Sát Quốc Gia)』へと改編されます。これ以降、すべての警察組織の制服・徽章は統一されます。
(過去記事『ベトナム警察の制服と階級章』参照)
③右側飾緒
こちらはベトナム軍で第一共和国期(1955-1963年)のみ着用例が見られる飾緒です。

とは言え、上の写真のように、右側飾緒の着用例が見られるのは大礼服や準礼服のような礼装の時のみであり、またデザインも英勇章部隊感状のような等級別に分かれたものではなく全て同一の金色に見えるので、この飾緒は単なる礼装用の装飾のように思えます。
しかしそうだとすると、今度はなんでジェム政権崩壊後には(国内では)一切見られないのか、という疑問も湧いてきます。(同様に詰襟の陸軍大礼服もジェム政権崩壊後に姿を消す)
もしかしてこれら詰襟大礼服や右側飾緒はジェム総統からの表彰を表すものだったりして?だからクーデター後の新政権下で着る訳にはいかなかったのかも?
想像は膨らみますが、所詮は推測なので、引き続き調べていきたいと思います。
右側飾緒に関する追加情報があります→『続・右側飾緒の謎』
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。