2015年10月27日
100均の腕輪
インドシナ半島中部高原に住むデガ諸民族には、Kong te(コンテ?コントゥ?発音不明)という真鍮製の腕輪を身に付ける習慣があります。
デガ(Degar: ラーデ語で”森の人”の意)は山岳地帯に住むオーストロネシア系およびモン・クメール系諸民族の総称であり、実際には数十の民族に分かれますが、このKong teはそれらの民族のほとんどに共通する文化です。
そのためベトナム共産党・カンボジア共産党による迫害を逃れてアメリカに渡ったデガ難民が、1987年にアメリカ合衆国ノースカロライナ州で組織したMontagnard Dega AssociationのシンボルにもKong teのデザイン(黄色い円環)が用いられています。
※このサイトに載ってるFULRO旗のソースの一部は僕のブログの記事だって・・・。もっとマシな情報元探せよ(笑)
なのでベトナム戦争期、アメリカCIA主導の共産ゲリラ掃討作戦CIDG計画に参加したデガの戦士たちも、よくKong teを身に付けています。
またKong teは、CIDG計画でデガ部隊を訓練・指揮したアメリカ軍SFやベトナム共和国軍LLDB、オーストラリア軍SASR隊員などにもデガ達から友好の印としてプレゼントされ、外国人にも"Montagnard friendship bracelet"として知られています。
このKong teは、eBayなどで現代製のものがよく売られていますが、どうもお高いです。どうせ大量生産のお土産品なのに。
なので、コスプレ用にこの腕輪を安く手に入れたかったので前々から代用品を探していたのですが、先日100円ショップのダイソーで良いのを見つけました。
ただのステンレスのリングです。ホームセンターに行けば似たような品はいくらでもありますが、これはリングの径や太さが絶妙です。
ただ、このままではどう見てもただのステンレスなので少々お色直し。
真鍮っぽい色になるよう、ガスコンロで焼く。あまり焼き過ぎると真っ黒になるので程々に。
※火傷や火事に気をつけて!
いい具合に黄土色になりました。
じゃじゃーん!これでしめて300円なり。
どうせ本物も、ただの真鍮線を丸めただけの代物(多少彫金してあるのもあるけど)なので、代用品としてはこんなので十分かと。
ホームセンターで真鍮線買ってきて自分で曲げるよりだいぶ安くて楽チンです。
難点としては、端のつなぎ目が溶接されているのでサイズ調整できないこと。最初手持ちのノコで切ろうとしましたが、さすがにステンレスは無理。グラインダーが必要です。
コレクションの世界はまた別なんだろうけど、少なくともコスプレ(およびコスプレを要するリエナクトメント)に必要なのは、お金ではなく愛と工夫でしてよ!
愛を高める動画
その50年後。ジャライ族(元CIDG / FULRO戦士)の葬儀。同胞とグリーンベレーの戦友に見送られて・・・
(2012年, アメリカ ノースカロライナ州)
Posted by 森泉大河 at 22:51│Comments(2)
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この記事へのコメント
旗章学、紋章学に関する記事を書いているのですが、画像と情報を引用してもよろしいでしょうか?
Posted by tantado_ at 2024年02月08日 18:58
tantado_さん
文章の引用は構いませんが、画像の大半は私も他から引用しているだけで、私に許可する権利は無いので、具体的にどの部分の引用をご希望か教えて頂けますでしょうか?
文章の引用は構いませんが、画像の大半は私も他から引用しているだけで、私に許可する権利は無いので、具体的にどの部分の引用をご希望か教えて頂けますでしょうか?
Posted by 森泉大河 at 2024年02月09日 15:48
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