2024年03月06日
ベトナム海兵隊の歴代戦闘服
※2024年3月18日更新
※2024年11月28日更新
※2025年3月24日更新
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2025年3月、この記事の内容を含む、
『ベトナム共和国軍の軍装1949-1975 Vol.1』を
発売しました。
歴代の被服・装備・軍装例をまとめたフルカラー図解です。
是非お買い求めください。
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過去記事『ベトナム空挺の歴代戦闘服』の海兵隊版を作りました。
なお服のカットの名称については過去記事『ザーコップ:ベトナム海兵タイガーの分類』参照
1954年~1960年代初頭:仏軍TTA47系
1954年にベトナム海軍麾下の陸戦コマンド部隊として第1海軍歩兵大隊(後の海兵隊)が発足してからしばらくは、フランス連合期にフランスから供与されたTTA47系戦闘服が海兵隊で着用されました。


▲実物のTTA47/52軽量型上衣
1957~1963年頃:ザーコップ(1st/VMX)
1957年頃、海兵隊の制式迷彩として、ベトナム初の国産迷彩であるザーコップ(タイガーストライプ)が開発されます。服のカットは仏軍「TTA47/52型」が主でしたが、1958年頃には2ポケット「肩当て型」も登場しています。


1958~1965年頃:カーキ(オリーブグリーン)
陸軍と共通のカーキ(オリーブグリーン)作戦服です。裁断は「肩当て型」と、肩当てを排した「簡略型」があり、海兵隊では1960年代前半まで着用されました。


1962~1968年頃:ザーコップ(2nd/VMS)
1962年頃に登場したザーコップの新色バージョン(パターンは1stとほぼ同じ)です。「肩当て型」、「エポレット型」に加えて、1964年には「迷彩服型」も登場します。


1964~1969年頃:ホアズン(初期ERDL/インビジブルリーフ)
1948年に米軍ERDLで開発された迷彩パターンは、当の米軍で採用される事はなかったものの、その生地は1964年以降アメリカからベトナムへと輸出され、ベトナム軍空挺、レンジャー、海兵隊などのエリート部隊共通の迷彩服となりました。なお空挺、レンジャー部隊では「空挺型」が主でしたが、海兵隊では「迷彩服型」も散見されます。


1966年~?:ザーコップ(3rd/VMS亜種)
1966年には2nd/VMSのパターンを一部変更したザーコップ迷彩服が登場します。

※当時の写真では2ndと3rdは見分けづらいのですが、徽章の年代的に恐らく3rdと思われる写真
1967~1975年:ザーコップ(4th/VMD)
1967年にそれまでのVMS系ザーコップからパターンを大きく変更した4th/VMDが登場します。裁断は主に「迷彩服型」です。


1967~1970年頃:ホアズン(66年型ERDL/グリーンリーフ)
米軍は長年放置してきたERDL迷彩を1966年に改良し、自軍の熱帯戦闘服(TCU)に採用するとともに、1967年にはベトナム軍に供与する迷彩生地もそれまでのインビジブルリーフから、この新型(66年型)/グリーンリーフに切り替えます。裁断は主に「迷彩服型」です。


▲東京ファントム製レプリカ
1968~1975年:ホアズン(ベトナム国産ERDL/パステルリーフ)
ベトナム軍は1968年に米国製のERDL迷彩を国産化し、以後グリーンリーフはこの国産迷彩服/パステルリーフに更新されていきます。裁断は当初は「迷彩服型」で、1973年頃から「4ポケット」や「TCU型」も加わります。

1973~1975年:ザーコップ(5th/レイトウォーラージ)
1973年頃にはタイで生産された民生タイガーストライプの一種である「レイトウォーパターン」がベトナムに逆輸入され、ベトナム海兵隊の制式迷彩(5th)として広まりました。裁断は「迷彩服型」、「4ポケット」、「TCU型」のいずれも見られます。

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