2016年05月25日
デガとモン関係
デガ関係

盾が完成。第2軍団LLĐB/DSCĐ儀礼用。


市販の笊をベースにしたので本物とは大きさも構造もかなり違うんだけど、一発目なのでとりあえず金かけずに雰囲気さえ出ればと。
実物のデガの盾はこんな構造みたいです→http://www.tribalmania.com/VIETNAMESEMOISHIELD.htm

ずっと探してたデガのパイプをゲット。
でも、すごく欲しかった割には、実際こういう伝統的なパイプ使ってるのは村の年寄ばかりで、CIDG計画で現金収入のあるデガの兵隊はみんな普通に紙巻タバコ買って吸ってるので、戦争ごっこのイベントで使う機会は無いのだけれども。
モン関係

昨日リサイクルショップにジーパンを探しに行ったら、気付いたらマスケットを買っていました。一応、大昔のマルシン製。
これはデガやDSCĐ用ではなく、ラオス内戦時代のモン族やるのに買いました。モン族は大昔から、西洋から伝わったマスケットを自ら製造しており、猟銃として活用するとともに周辺の多数派民族による迫害から自衛を図ってきました。
ラオス内線が始まると、ラオス王国政府側に付いた右派(王党派)モン族の村落にはADC(村落自衛隊, Auto Defense d'Choc)が編成され、村の男たちはモン族を見境なく虐殺するラオス共産軍パテート・ラーオやベトミン・北ベトナム軍から家族を守るため武器を取りました。
しかし王国軍所属のモン族部隊がフランスやアメリカ製火器で強化される一方、ADCは民兵組織であるため武器の配備は正規軍に比べて遅れており、1960年代になってもADCの一部ではマスケットが使われ続けました。

▲ラオス内戦の停戦を監視する国連代表団の訪問に際し、マスケットやクロスボウを披露するモン族の村人(1959年)

▲モン族のマスケット各種。上二つがマッチロック(火縄)式、下がフリントロック(火打ち)式
去年行ったタイのモン族村に展示してありました。これらを参考に、それっぽく改造しようと思います。

すでにチェンマイ行った時に民族衣装はあらかたゲットしてあるので、ADC計画は着々と進行中です。
実際にはモン族の住んでいる範囲は中国・ベトナム・ラオス・タイとかなり広いので地域によって民族衣装も違ってくる(いわゆる花モンとか青モン等)けど、違いが大きいのは華やかな女性の衣装であって、男性の普段着・野良着はどこも似たような漢服系の黒いシャツなので、誤魔化しはきくかと。
ただ、旅行から丸一年が経過して、買ったとき店のモン族のおばちゃんに教えてもらった帯の巻き方を忘れてしまった・・・。
(モンの帯は、体の前側に帯の端と端を垂らし模様を作るように巻くので、ちょっと複雑な巻き方だった)
そう言えばタイのモン村で晴れ着レンタルした際、レンタル屋のおばちゃん(だったと思う)に「なんで服にコインみたいな飾りがジャラジャラ付いてるの?」って訊いたら、
「これは昔本当のお金で、モンは昔から戦争などで住処を追われてばかりだったから、逃げる時に家に財産を置き忘れないよう服に直接付けておいたんだ。それが今では民族衣装のデザインになってるんだよ。」と教えてくれました。
なるほど。本当に昔からそういう歴史を繰り返しているんですね・・・。

ちなみに別の日、バンコクで一緒に遊んだ日本陸軍マニアのOさんも、実はモン族(モン系タイ人)。
学生時代日本に留学していたので日本語はペラペラ。当時は中田商店通いに明け暮れていたそうです。それに色白なので、横に並ぶと僕より彼の方がよっぽど日本人っぽい(笑)
そんな彼も、モン族であるという理由でタイ国内の右翼から嫌がらせを受ける事が度々あるそうです。「奴らは私を人間以下の生き物と見なしているよ」
でも彼は、そんな下らない連中に負けるほどヤワではない。日本、中国への留学経験を持ち、今はロンドンに留学中。
普通の人生では味わえない、どデカい視野を持った男になる事でしょう。
日本では昨日、ヘイトスピーチ解消法が成立しましたね。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160524/k10010533051000.html
まだ罰則規定は無いけど、少なくともこれで愛国心を口実に日本の名誉に糞を塗るクズ共の行動を違法行為と認定できるようになったんだから、ようやく一歩前進といった感じでしょうか。
ミリタリー業界からも、そういう馬鹿が消え去る日が来ることを心から願っています。
Posted by 森泉大河 at 21:26│Comments(3)
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この記事へのコメント
儀礼用盾だったんですね!
勝手にアホカリでCSDCの暴徒鎮圧ごっこするのかと思いました(笑)
CSDCの盾の構造もこんな感じなんですかね?
勝手にアホカリでCSDCの暴徒鎮圧ごっこするのかと思いました(笑)
CSDCの盾の構造もこんな感じなんですかね?
Posted by CROSS at 2016年05月26日 07:57
CROSSさん
デガの盾は籐が中心から平たく編み込まれているにの対し、以下の写真を見る限りでは、CSDCの盾は放射状の芯を作ってその周りに籐を編み込んでいく製法に見えます。
http://2.bp.blogspot.com/-nVWimZNFBBQ/U_i9I5BkotI/AAAAAAAAG8w/oCsIq1tHSB0/s1600/1%2BA%2BA%2BA%2Bcanh%2Bsat%2Bda%2Bchien%2Bdi%2Blam%2Bnhiem%2Bvu.jpg
今までまじめに盾について調べたことがなかったので、安直に「笊や管笠で代用できるじゃん」と高をくくっていましたが、いざ実物と見比べてみると日本の竹・籐製品とは編み方が全然違くて、似たようで全然違う文化である事を見せつけられました。
デガの盾は籐が中心から平たく編み込まれているにの対し、以下の写真を見る限りでは、CSDCの盾は放射状の芯を作ってその周りに籐を編み込んでいく製法に見えます。
http://2.bp.blogspot.com/-nVWimZNFBBQ/U_i9I5BkotI/AAAAAAAAG8w/oCsIq1tHSB0/s1600/1%2BA%2BA%2BA%2Bcanh%2Bsat%2Bda%2Bchien%2Bdi%2Blam%2Bnhiem%2Bvu.jpg
今までまじめに盾について調べたことがなかったので、安直に「笊や管笠で代用できるじゃん」と高をくくっていましたが、いざ実物と見比べてみると日本の竹・籐製品とは編み方が全然違くて、似たようで全然違う文化である事を見せつけられました。
Posted by タイガ
at 2016年05月27日 00:31

いつもみています、Instagramでもやってほしいです。歴史の勉強になります。
南ベトナムやラオス王国などインドシナの国の事情が分かってとてもいいです!
今のベトナムは悪いですよとベトナム人から言われました、その方はサイゴン生まれで戦争中に生まれ育ったんですよ、
だから留学できたと思ってましたが戦争難民らしいです。Instagramでやればもっとコメントも増えそうです
南ベトナムやラオス王国などインドシナの国の事情が分かってとてもいいです!
今のベトナムは悪いですよとベトナム人から言われました、その方はサイゴン生まれで戦争中に生まれ育ったんですよ、
だから留学できたと思ってましたが戦争難民らしいです。Instagramでやればもっとコメントも増えそうです
Posted by なおひろ at 2019年11月08日 00:58
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