2016年10月04日
ベトナム共和国軍年代別歩兵個人装備
※2020/6/24訂正
※2024年9月21日更新
※ 注 意 ※
ベトナム共和国軍(CIDG含む)では以下のM1956個人装備のうち、
エントレンチングツールカバーとフィールドパックは99.99%使われませんでした。
せっかくお金をかけて軍装をそろえても、これらを装備に加えた瞬間に間違った再現になります。
どうかご注意下さい。
念のため言っておくと、使用例が完全に無い訳ではありません。
この10年間、何万枚と当時の写真を見てきた中で、3例くらいは使用例を見つけました。
なので一応100%ではなく、99.99%としておきます。
--------------------- 歩兵科 ---------------------
(Binh Chủng Bộ Binh)
戦闘服: 仏軍TTA47系戦闘服
鉄帽: 仏軍Mle51ヘルメット、米軍M1ヘルメット (擬装ネット)
帽子: 仏軍Mle49ジャングルハット、熱帯ベレー
個人装備: 仏軍Mle50s系個人装備、米軍M1936/M1945系個人装備
背嚢: 仏軍TTA Mle51ミュゼットザック、米軍M1945フィールドパック、M1942マウンテンリュック、
M1943/M1944パックボード
小火器: MAS36小銃、MAT49短機関銃、MAC24/29軽機関銃、
M1カービン、M1928/M1短機関銃、M1918自動小銃、M1919機関銃、DF37/OF37手榴弾、MkII手榴弾、他
戦闘服: アーミーグリーン2ポケット作戦服
鉄帽: 仏軍Mle51ヘルメット、米軍M1ヘルメット (擬装なし、擬装ネット)
個人装備: 米軍M1945系個人装備、M1956個人装備
背嚢: 米軍M1945フィールドパック、M1942マウンテンリュック、M1943/M1944パックボード、
ST-138キャリングハーネス
小火器: M1ガランド小銃、M1903小銃、M1/M2カービン、M1A1短機関銃、M3A1短機関銃、M79グレネードランチャー、
M1918自動小銃、M1919機関銃、MkII手榴弾、M26手榴弾、他
--------------------- レンジャー ---------------------
(Biệt Động Quân)
戦闘服: アーミーグリーン2ポケット作戦服
鉄帽: 仏軍Mle51ヘルメット、米軍M1ヘルメット(手書き迷彩・黒豹黒虎、擬装ネット)
背嚢: 米軍M1945フィールドパック、米軍M1942マウンテンリュック、M1943/M1944パックボード、
ST-138キャリングハーネス
小火器: M1ガランド小銃、M1903小銃、M1/M2カービン、M1A1短機関銃、M3A1短機関銃、M79グレネードランチャー、
M1918自動小銃、M1919機関銃、MkII手榴弾、他
個人装備: 米軍M1956個人装備
背嚢: 米軍M1945フィールドパック、ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M79グレネードランチャー、M1918自動小銃、M1919機関銃、M60機関銃、MkII手榴弾、M26手榴弾、他
個人装備: 米軍M1956個人装備、M1967個人装備、M69ボディーアーマー
背嚢: ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M26手榴弾、M67手榴弾、他
--------------------- 空挺 ---------------------
(Nhẩy Dù)
戦闘服: 仏軍TAP47系降下服、リザード迷彩TTA47系戦闘服、英軍ウェインドプルーフスモック、米軍ダックハンター戦闘服、他
鉄帽: 仏軍Mle51/Mle51TAPヘルメット、米軍M1/M1Cヘルメット (擬装ネット)
帽子: 仏軍Mle49ジャングルハット、空挺キャップ
個人装備: 仏軍Mle50s系一般/TAP個人装備、米軍M1936/M1945系個人装備
背嚢: 仏軍TAP Mle50ミュゼットザック、TTA Mle51ミュゼットザック、米軍M1942マウンテンリュック、
米軍M1945フィールドパック、M1943/M1944パックボード
小火器: MAS36CR39小銃、MAT49短機関銃、MAC24/29軽機関銃、M1カービン、M1/M2A1カービン
M1928/M1短機関銃、M1918自動小銃、M1919機関銃、DF37/OF37手榴弾、MkII手榴弾、他
鉄帽: 仏軍Mle51/Mle51TAPヘルメット、米軍M1/M1Cヘルメット (擬装ネット)
帽子: ジャングルハット、空挺キャップ
背嚢: 仏軍Mle50 TAPミュゼットザック、米軍M1942マウンテンリュック、
米軍M1945フィールドパック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M79グレネードランチャー、M1918自動小銃、M1919機関銃、M60機関銃、MkII手榴弾、M26手榴弾、他
鉄帽: 米軍M1/M1Cヘルメット 、グランドトループスヘルメット一般/空挺用 (擬装なし、擬装ネット)
靴: 米軍空挺ブーツ、ジャングルブーツ
個人装備: M1956個人装備
背嚢: 米軍M1942マウンテンリュック、ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M79グレネードランチャー、M1918自動小銃、M1919機関銃、M60機関銃、MkII手榴弾、M26手榴弾、他
靴: 米軍空挺ブーツ、コンバットブーツ、ジャングルブーツ
個人装備: 米軍M1956個人装備、M52ボディーアーマー
背嚢: ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M60機関銃、M26手榴弾、他
靴: 米軍空挺ブーツ、コンバットブーツ、ジャングルブーツ
背嚢: ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M26手榴弾、M67手榴弾、他
--------------------- 海兵隊 ---------------------
(Thủy Quân Lục Chiến)
戦闘服: 仏軍TTA47系戦闘服
鉄帽: 仏軍Mle51ヘルメット、米軍M1ヘルメット (擬装ネット)
帽子: 仏軍Mle49ジャングルハット、熱帯ベレー
個人装備: 仏軍Mle50s系個人装備、米軍M1936/M1945系個人装備
背嚢: 仏軍TTA Mle51ミュゼットザック、米軍M1941パックシステム、M1945フィールドパック、
M1942マウンテンリュック、M1943/M1944パックボード
小火器: MAS36小銃、MAT49短機関銃、MAC24/29軽機関銃、
M1カービン、M1928/M1短機関銃、M1918自動小銃、M1919機関銃、DF37/OF37手榴弾、MkII手榴弾、他
帽子: タイガー八角帽、ジャングルハット
個人装備: 米軍M1945系個人装備、M1956個人装備
背嚢: 米軍M1941パックシステム、M1945フィールドパック、M1942マウンテンリュック、M1943/M1944パックボード、
ST-138キャリングハーネス
小火器: M1ガランド小銃、M1903小銃、M1/M2カービン、M1A1短機関銃、M3A1短機関銃、M79グレネードランチャー、
M1918自動小銃、M1919機関銃、MkII手榴弾、M26手榴弾、他
背嚢: ARVNラックサック、M1943/M1944パックボード、ST-138キャリングハーネス
M26手榴弾、M67手榴弾、他
--------------------- 地方軍・義軍 ---------------------
(Địa phương quânn-Nghĩa quân)
戦闘服: 民兵戦闘服(黒)、農作業服(黒)
鉄帽: なし
帽子: ジャングルハット、フィールドキャップ、その他民生品
個人装備: 仏軍Mle50s系個人装備、米軍M1936/M1945系個人装備
背嚢: 仏軍TTA Mle51ミュゼットザック
小火器: MAS36小銃、MAT49短機関銃、M1903小銃、M1カービン、M1928/M1短機関銃、M3A1短機関銃、
DF37/OF37手榴弾、MkII手榴弾、他
徽章以外は同時代の陸軍歩兵部隊とほぼ同じ
------------------------------------------
以上で基本的な歩兵個人装備はほぼ押さえられたと思います。
約30年分の変遷をまとめたのでやたら装備の種類が多く見えますが、時代を区切って、
例えばハリウッド映画の影響で人気のある1960年代末であれば、最低限必要なのはこれだけです。
・米軍ヘルメット
・ジャングルブーツ
レプリカ使えば、だいぶお安く揃っちゃいますね。
過去に何度か「南ベトナム装備は敷居が高い」という声を耳にした事がありますが、
それは単に共和国軍の軍装が日本語で紹介される機会が少ないために、何を揃えるべきか情報が出回っていないだけで、
それが分かってしまえば差し当たって難しい事はありません。
むしろ、常に実物やリプロが何かしら市場に存在している時点で、他の大多数の国の軍装よりもずっと敷居低いんです。
日本語の情報はここに書いたので、あとは当時の写真とにらめっこしてもらえば、大体把握できると思います。
※こりらも参照『写真で解説 軍装Q&A』
インターネットで当時のベトナムの写真を探すのであれば、
flickrにあるmanhhai氏、tommy japan氏のアルバムが最強なので超超お勧めです!
あと動画では、YoutubeチャンネルNgười Nhập CuộcがクリパスやAP通信のアーカイブなどからベトナム共和国関係の
動画をピックアップしているので、こんな映像が有ったのか!と毎回驚きの連続です。
いや~、インターネット様様
Posted by 森泉大河 at 23:07│Comments(3)
│【ベトナム共和国軍】│被服・装備│BB/歩兵│BĐQ/レンジャー│ND/空挺│TQLC/海兵隊│1945-1954│1954-1975
この記事へのコメント
とても分かりやすくて、非常にありがたいです
arvn等に興味があって、今手持ちの装備&戦闘服のみで、arvn再現してみたいのですが、自分中学生でお金がないので、ファティーグ上下しか戦闘服はもっていません、そこで南ベトナム軍等でジャングルファティーグ使用例などがあれば教えていただきたいです、よろしくお願いいたします。
arvn等に興味があって、今手持ちの装備&戦闘服のみで、arvn再現してみたいのですが、自分中学生でお金がないので、ファティーグ上下しか戦闘服はもっていません、そこで南ベトナム軍等でジャングルファティーグ使用例などがあれば教えていただきたいです、よろしくお願いいたします。
Posted by 一般ひかまに at 2024年11月08日 15:32
一般ひかまにさん
はじめまして。南ベトナム軍において米軍ジャンルファティーグは、一般部隊ではほとんど着用されませんでしたが、特種工作機関NKTのコマンド部隊「雷虎」ではたくさん着用されました。
https://ichiban.militaryblog.jp/e488499.html
彼ら雷虎(ベトナム人および少数民族)は米軍MACV-SOGの作戦指揮下にあり、服や装備もSOGから支給されていました。なので、ジャンルファティーグを着て、M56装備を付け、銃はXM177E2を持てば、雷虎っぽくなります。
雷虎では改造型ジャングルファティーグやSTABOハーネスも多用されましたが、必須ではなく、無改造のジャングルファティーグやM56装備で出撃する事も数多くあります。その他の細かい装備は勉強しながら少しずつ集めてみて下さい。
また何か分からない事がありましたら、遠慮なく聞いて下さい。
はじめまして。南ベトナム軍において米軍ジャンルファティーグは、一般部隊ではほとんど着用されませんでしたが、特種工作機関NKTのコマンド部隊「雷虎」ではたくさん着用されました。
https://ichiban.militaryblog.jp/e488499.html
彼ら雷虎(ベトナム人および少数民族)は米軍MACV-SOGの作戦指揮下にあり、服や装備もSOGから支給されていました。なので、ジャンルファティーグを着て、M56装備を付け、銃はXM177E2を持てば、雷虎っぽくなります。
雷虎では改造型ジャングルファティーグやSTABOハーネスも多用されましたが、必須ではなく、無改造のジャングルファティーグやM56装備で出撃する事も数多くあります。その他の細かい装備は勉強しながら少しずつ集めてみて下さい。
また何か分からない事がありましたら、遠慮なく聞いて下さい。
Posted by 森泉大河 at 2024年11月08日 21:05
森泉大河様
詳しく教えて頂きありがとうございます。
雷虎という部隊が、あったのですね、初めて知りました、特殊部隊装備はやったことなかったし、ファティーグ&56装備が使えるから、今度やってみようかなって思いました。
あとARVNでのファティーグ着用例の謎が解けてスッキリしました、ありがとうございました。!
詳しく教えて頂きありがとうございます。
雷虎という部隊が、あったのですね、初めて知りました、特殊部隊装備はやったことなかったし、ファティーグ&56装備が使えるから、今度やってみようかなって思いました。
あとARVNでのファティーグ着用例の謎が解けてスッキリしました、ありがとうございました。!
Posted by 一般ひかまに at 2024年11月16日 22:48
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